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内容説明
子供の頃からの夢「ドラえもんをつくる」ために、神経科学や認知科学を武器に本気で最新のAI開発に取り組む、新進気鋭の研究者が語る人とロボットの未来論。漠然と「ドラえもんをつくりたい」と夢見ていた著者。小学生のころからロボットをつくり始めて大学在学中から本格的に研究を行い、「みんなとドラえもんをつくる」ことを決意する。単なるロボットとしてではなく、人とのかかわりや人間がもつ感情や心に注目。「人間」を徹底的に研究し、最新のAIやHAIをもとに、本気で「ミニドラ」づくりに取り組む。各分野のエキスパートや仲間の力を借りて、誰にも相手にされなかった夢を一歩ずつ現実に近づけていく。 【目次より】●序章 人を幸せにする心をもった存在 ●第1章 現在のAIはどこまでできるのか? ●第2章 ドラえもんはこうしてつくる ●第3章 ミニドラのようなロボットを、みんなで育てる ●第4章 仲間とつくるドラえもん ●第5章 HAIのテクノロジーが日本から世界へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きみたけ
85
タイトルに惹かれました😅著者は日本文理大学助教で次世代社会研究センターRINGSセンター所長の大澤正彦氏。子供の頃からの夢である「ドラえもんを作る」ために本気で最新のAIと「人間」を研究、ロボットの未来について語った一冊。人とのかかわりや人間が持つ感情や心に注目した研究で、最新のAIやHAIをもとに「ミニドラ」づくりに取り組んでいるとのこと。HAIは人間とのかかわりのなかでロボットと人間が協力していく技術で、工学はもちろん、心理学や認知科学の領域を含む研究分野だそうです。今後の動向が楽しみです。2022/09/04
壱萬参仟縁
52
Hearteningのレッスンではだいぶ先になるが、種本を調達した。人間と生成AI、人間とロボットの良好な関係性を考えるには重要な本。著者は優秀なこれからの人。生徒も彼の新領域開拓の精神や方法を学び、シンギュラリティを超えた社会をどう構想、構築するか、考えていってほしいと思う。2024/06/19
terve
41
ドラえもんを作るために、現在の科学がどこまでできるか。また、これからどうつくっていくかが書かれている本です。ドラえもんはあくまでもイメージモデルで、「他者モデル」を想定しながらHAIのコアをつくっていくなど、私にとっては全く新しい世界の話です。科学における一里塚を示すと考えればおもしろい本なのですが、私が求めていた本ではありませんでした。題名をみて『バッタを倒しにアフリカへ』なみの生き方を想定していたのですが・・・・もっと筆者の「好き」が出ればワクワク出来る本なのに、題名に比して勿体ない本だと思います。2020/02/24
Y2K☮
39
要は人と関わらずにビッグデータをディープラーニングするAIではなく、日常生活を人と共に過ごす中で少しずつ成長するHAIの開発。その理想形としてドラえもんというイメージをわかりやすく提示している印象。いい意味で「不完全」「成長過程」のロボットと共存する日々は他者への思いやりを育むし(それこそのび太やカズオ・イシグロ「クララとお日さま」のジョジーのように)、差別の解消にも繋がる気がする。山や川に神を見出すなど非生物にも心を感じられる日本の文化は確かにこの技術と相性がいい。ドミニクチェンとコラボしたら面白そう。2021/04/13
ミライ
39
AI研究者の大澤正彦さんが、人とロボットの未来論を語った一冊。タイトルの「ドラえもん」は著者の目指すロボットの理想像的なもの、本書では人間とロボット(AI)との共存を指す概念であるHAIをもとに、AI・ロボット単体ではなく、「人とロボットの共存を目指す」思考で未来の世界が語られる。認知的不協和などの心理学的要素だったり、「ロボットいじめ」等のあまりなじみのない用語がでてきたりと興味深い一冊だった。Youtubeで大澤さんの動画がいくつかあるので本と合わせて見ると面白い。2020/02/16