徳間文庫<br> 刑罰0号

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徳間文庫
刑罰0号

  • 著者名:西條奈加【著】
  • 価格 ¥781(本体¥710)
  • 徳間書店(2020/02発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784198945350

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内容説明

記憶を他人に追体験させる技術が出来たら? このシステムの開発者と被験者たちが織り成す、ヒューマン・ドラマ傑作長篇。
罪を犯した者に、被害者が体験した記憶を追体験させることができる機械、「0号」。死刑に代わるシステムとして開発されるが、被験者たち自身の精神状態が影響して、なかなか成果が上がらない。その最中、開発者、佐田博士が私的な目的で使ったために研究所から放逐される事態に。研究は、部下の江波はるかが密かに引き継ぐことになったが……。人の心の機微を描くことに定評のある著者が、近未来を舞台に描く、渾身のヒューマン・ドラマ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

papako

77
作者続けて。時代ものの印象が強い作者の現代もの、しかもSF。死刑に代わる厳罰として被害者の意識を体験させる刑罰0号。贖罪の気持ちを持たせるため?もっと単純に、死刑の代わりの刑罰0号をメインに話が進むのかと思ったら、人格とは。記憶とは。原爆被害者の反核に対する想い。贖罪とは。いろいろなメッセージが込められていた気がします。平和な核攻撃、トラウマになるよなぁ。簡単に面白かったとは言えない。でも読めて良かった。2021/04/12

えみ

66
加害者の贖罪、被害者の救済。終身刑と死刑の間を埋める新たな刑罰「0号」は期待通りの成果を上げる事が出来たのか。それは、人が人を裁くために踏み入ってはいけない禁忌…現在の価値観では計り知れないシステム。くるかもしれない、あるかもしれない「0号」運用に最大級の警鐘を鳴らす超問題作。「0号」システム、即ち加害者に被害者の記憶を追体験させる、脳と記憶を改竄する刑罰。理性では、生物の聖域を犯す許されない行為だと分かっているのに、感情が0号の非人道的な刑罰に期待してしまう。しかし、この物語は更なる危険を見据えていた!2023/04/16

M

58
加害者に被害者の追体験をさせるシステム「0号」。死刑撤廃論に反対の考えである私は、死刑より効力があるのなら有用かもしれないという好奇心と視点で読み始めたので、少し趣というか自分の期待した毛色とは違う、途中からは明らかにSF調の作品であった。2020/03/09

hirune

48
ずっと夢なのか現実なのか判然としない なんとなく不安感の漂う話が続いていく。東京オリンピックが無事に開催できたらしい未来へとだんだん話は進んでゆき、全世界崩壊の危機へと広がってまるでパニック映画のような迫力のクライマックスへ😱読み応えあった〜、面白かったです!しかし江波はるかってなんつー嫌な女だろうってず〜っと思ってたけど…結局一番頼りになる人物だったなぁ😅2020/05/03

ポルコ

42
再読。被害者の記憶を加害者に追体験させ、贖罪させる機械『0号』。その運用と、開発者の懊悩。そしてマクロへと展開していくストーリー。テーマも話の広がり方も、400ページもない作品なのに読み応え抜群でした。大満足。2025/06/15

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