講談社学術文庫<br> ドゥルーズ 流動の哲学 [増補改訂]

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講談社学術文庫
ドゥルーズ 流動の哲学 [増補改訂]

  • 著者名:宇野邦一【著】
  • 価格 ¥1,375(本体¥1,250)
  • 講談社(2020/02発売)
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  • ISBN:9784065187470

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内容説明

没後20年を過ぎた今も世界中で多くの読者を獲得し続けている哲学者ジル・ドゥルーズ(1925-95年)。初の単著『経験論と主体性』(1953年)から『ニーチェと哲学』(1962年)、『カントの批判哲学』(1963年)を経て『ベルクソニスム』(1966年)に至る哲学者のモノグラフィーを発表したドゥルーズは、続いて『差異と反復』(1968年)と『意味の論理学』(1969年)を解き放ち、世界に衝撃を与えた。進化を続ける哲学者は、次に精神分析家フェリックス・ガタリ(1930-92年)との協働を始動させ、『アンチ・オイディプス』(1972年)と『千のプラトー』(1980年)という恐るべき著作を完成させる。その後、記念碑的な映画の哲学『シネマ』全2冊(1983年、85年)、ライプニッツ論『襞』(1988年)といった単著の執筆に戻ったドゥルーズは、最後にもう一度、ガタリとの共著『哲学とは何か』(1991年)を発表。そして、1995年11月4日、みずから命を絶った。
本書は、1976年から83年――『千のプラトー』から『シネマ』へと至る時期にドゥルーズ本人の薫陶を受け、その指導の下で博士論文を書いた著者が、主要著作の読解を通して師の歩んだ道のりをたどり直し、初めて1冊にまとめたものである。2001年に講談社選書メチエとして出された原著は、20世紀最大の哲学者の全容に触れたい人の「最初の一冊」として広く親しまれてきたが、このたび、大幅な加筆・訂正を経た決定版をお送りする。
ひたすら愚直に、そして誠実に主要著作を読み解いていった約20年前の作業を現在のまなざしで見直した著者は、「いまはドゥルーズについて書くべきことを書き終えなければ、と思う。量ではなく、質の問題、いやまさに強度の問題である」と書いている。こうして生まれ変わった本書は、今後も新たな輝きを放ち続けるだろう。

[本書の内容]
この本にいたるまで――学術文庫版に寄せて
プロローグ――異人としてのドゥルーズ
第一章 ある哲学の始まり――『差異と反復』以前
第二章 世紀はドゥルーズ的なものへ――『差異と反復』の誕生
第三章 欲望の哲学――『アンチ・オイディプス』の世界
第四章 微粒子の哲学――『千のプラトー』を読み解く
第五章 映画としての世界――イマージュの記号論
第六章 哲学の完成
エピローグ――喜びの哲学
文献一覧
あとがき
学術文庫版あとがき
ジル・ドゥルーズの生涯と主要著作

目次

この本にいたるまで──学術文庫版に寄せて
プロローグ──異人としてのドゥルーズ
第一章 ある哲学の始まり──『差異と反復』以前
第二章 世紀はドゥルーズ的なものへ──『差異と反復』の誕生
第三章 欲望の哲学──『アンチ・オイディプス』の世界
第四章 微粒子の哲学──『千のプラトー』を読み解く
第五章 映画としての世界──イマージュの記号論
第六章 哲学の完成
エピローグ──喜びの哲学
文献一覧
あとがき
学術文庫版あとがき
ジル・ドゥルーズの生涯と主要著作

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

28
ドゥルーズ本というよりも、著者の文章が読み易いのはなぜだろうということばかりが気になりました。平易なだけでなく、論旨を見失っても途中から入っていける、いつの間にかページが進んでしまう魔力があります。随所に登場する定義が骨格をつくり、骨格を辿ることで全体がみえてくる。「関係の中で触発される思考(ヒューム)、運動と時間の中にある生(ベルクソン)、あえず流動し、触発し触発される身体とともにある思考(スピノザ)、力のさまざまな質と量によって構成される世界(ニーチェ)」キャッチーさも読み易さの源泉になっています。2020/11/05

ほし

13
数々の新たな概念に、抽象と具体を駆け抜ける思考。それらに満ち溢れたドゥルーズの哲学はとにかく難解だと言われますが、この本を読むことでその輪郭に確かに触れることが出来た感触がありました。時間と生成に目を向け、潜在性、強度の視点から差異や欲望を捉えたドゥルーズ。それは言葉によって言葉の外を思考するかのようで、本を読みながら自らの主体性が大きく揺さぶられるような感覚でした。エビデンスに基づきロジカルに思考し…という態度が当たり前のものとなった現代、ドゥルーズの哲学に触れることは大きな意味があるように思います。2021/12/25

ほ🌟 ̖́-

3
明快さ故に、わかった気になるが身になっていないという不安も残る読後感。考え方のリズムとスタンスは受け取れたと信じて次の本に進もう。 本書とはもう関係ないが実践としての意味で本の難しさや読みにくさの大切さに気づけた。この気づきを糧に原著に挑戦したい。2024/09/12

八八

3
ドゥールズは現代思想、哲学の旗手であり特に『アンチ・オイディプス』や『千のプラトー』などが有名である。ドゥールズの著作は独自の表現や用語などが用いられ難解である。本著はドゥールズの思想形成を追いながら解きほぐしていく。ニーチェやカント、スピノザなどの哲学やプルーストの『失われた時を求めて』などを基礎にしながら枠を飛び越え豊かな思索に支えられた姿を描写する。このようにドゥールズの思想を分かりやすく解説するのではなく、思想形成や著作の枠組みの一端を示すことによってドゥールズへの入り口を示す。2020/03/06

Terry K

2
書いていることはほとんどわからなかったけれど、とりあえず一回通読できたのは収穫?読書百遍、というから再読してみたらもう少しわかるようになるか。それにしても、解説本でこれなんだから、元の本はどんだけ難しいんだろう。2023/03/19

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