内容説明
1979年に刊行以来、いまも版を続ける司馬遼太郎のエッセイ集の新装版。
「人間の何事かについて小説の構想を考えているとき、無数の、といっていいほどの無駄ばなしが脳裏を去来する」と司馬さんは「あとがき」で記している。
アメリカの剣客、策士と暗号、武士と言葉、幻術、ある会津人のこと、『太平記』とその影響、日本的権力についてなど、日本人の顔・名前――歴史小説の大家が折にふれて披露した、歴史のこぼれ話。
『竜馬がゆく』『翔ぶが如く』などの舞台裏を知るうえでも貴重な一冊。
※この電子書籍は1979年に刊行された文庫の新装版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
55
面白かったです。雑談をつらつら紡いでいるだけなのに引き込まれます。歴史好きとして興味深いエッセイでした。2020/09/07
Shoji
38
司馬遼太郎の物語に出てくる余談、大好きだ。そんな余談ばかりを集めた本です。雑談と言えば雑談かも知れませんが、面白い。「司馬史観」と言う立派な四字熟語で形容されるほどの知識と表現力を持つ著者だけあって、ただの雑談ではありません。後醍醐天皇の前と後で世の中はどう変わったのか、松永久秀の功罪をどう解釈するかなど、「ほー、なるほど」と感嘆しながら読了しました。2020/02/29
Yuma Usui
25
歴史こぼれ話のエッセイ集。一つひとつが面白く読めた。西郷隆盛と西郷従道の名前がどのように決まり後世に残ったかといった話が意外すぎて思わず笑みが。また、柳里恭についての人物評も面白い。著者の司馬遼太郎は、日本でレオナルド・ダ・ヴィンチに匹敵するのは平賀源内ではなく柳里恭ではないかと思うほどの多才ぶりに感心しており、自分も今回勉強になった。内面においても21歳にして色恋について老境に達しているかのような名言があり面白い。歴史の表舞台に立たない人物でも多彩多様な人が居るという当たり前の事に気付かされた。2023/08/27
都人
4
あとがきに曰く。「かって書いたむだばなしのようなものを集めて本にしたい」という話が文藝春秋からあって、最初は気乗り薄だったという。22編のエッセイ集だが、それなりに彼の書く物は各々重みがある。トリビア風で面白く拝読した。2024/02/06
kiiseegen
4
新装版にて再読。2020/04/07