内容説明
謎だから知りたい。分かりたい。人の心があたため続けている「愛」を――。近代短歌から、生まれたばかりの新鮮な現代短歌まで、五七五七七のリズムで詠まれる愛のうた。人間のいとなみのなかで生まれた古今の短歌三〇〇首が、名手の読みときで鮮やかに輝く。
『鼓動のうた 愛と命の名歌集』を改題。
〈巻末対談〉西加奈子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
62
表題どおり愛をテーマにした短歌から、震災を詠んだものまで幅広く紹介されており、気に入りの歌を見つけることができる。愛の歌はとても情緒豊かで、こちらまで染められて揺さぶられる。一首一首に込められた世界を思う存分感じられ、短歌の魅力を享受できるよろこびに酔う。2019/12/22
ピロ麻呂
33
歌人東直子が現代短歌の秀作をテーマ別に紹介。春夏秋冬、出会いと別れ、生と死など、共感する歌が数多く取り上げられています。お気に入りは「君の指がきれいに見えたあの頃は 笑っていれば日が暮れたのに」「傘さして傘をまわして若かりし 母のうしろを長靴はいて」2019/12/25
ポテチ
32
めちゃくちゃよかった!河野裕子さんの歌がやはり感情の重量がすごい。大滝和子さんの歌が古風ですき。でも一番心に残ったすきな歌は爽やかなやつでした。「あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ」「海で洗ったひまわりを贈る 未発見ビタミン的な笑顔のひとに」2020/06/07
ちぇけら
29
心奥の塵が金木犀になる愛してやまない人のいる午後。短歌は愛だ。そして短歌をつくり、短歌を愛する東さんのことばもまた愛だ。短歌について書かれた本は、愛にあふれている。愛とは。命とは。人生を見つめて放たれた三十一音の矢は、誰のこころにも響く抽象的な奥行きがある。井辻朱美の「椰子の葉と象の耳ほどこの星の風が愛したかたちはなかった」、大滝和子の「たれもみな初恋のひと秘めている雑踏という森へ入りゆく」、三枝浩樹の「砂浜は海よりはやく昏れゆけり 伝えんとして口ごもる愛」が、掲載歌のなかでも特にすき。ほんとうにすき。2019/12/26
冬見
16
「あの夏の数かぎりなきそしてまたたつた一つの表情をせよ」「すきなひとがいつでも怖い どの角を曲がってもチキンライスのにおい」「あたらしい朝があなたにくるたびに世界を愛せる空気をあげたい」「冬の夜の星君なりき一つをば云ふにはあらずことごとく皆」「全存在として抱かれるあかときのわれを天上の花と思わむ」好きな歌を並べたらきりがない。恋と命の歌。東さんと西さんの対談も良かった。西東って並んでいるのがちょっとおもしろい。西さんが鎌文で出会った歌は、もしかしてあの歌だろうか。2019/12/21
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