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内容説明
10億分の1メートルの世界で原子・分子を操作する技術。そこから物質の新たな性質が生み出され、「ものづくり」は大きく変革される。さらに、医療や環境、コミュニケーションなど、人々の暮らしの可能性は劇的に広がる。「寿命がきたら自分でリサイクル可能な状態に“壊れる”パソコン」「人間より早く正確に危険を察知する車」「がん細胞ができるとすぐに医師に知らせるバイオチップ」「患部だけに効果を発揮する副作用のない薬」「カニやセミの抜け殻のように人間の形状にあわせて原子・分子のレベルからデザインされる衣服」「鋼鉄よりも10倍固く10分の1の軽さの新素材」「静電気で動くモーター」「国会図書館もの情報量が収められる角砂糖のサイズの原子メモリ」……。「ものづくり」に活かし、さらに、便利でかつ無害な社会を創るために、ナノテクノロジーにいかに取り組むべきか。その第一人者が極微科学の本質と新時代のパラダイムを説き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風竜胆
5
発行が2003年と、若干古いが、この分野の概要と将来性をざっと掴むには良い本だろう。 2013/04/10
Naota_t
2
★3.2/基礎的な内容がメインのため文系の人でも読める。また、2003年の本であるため、当時と現代のナノテクノロジーはかなり状況が違うのだろう。ナノテクノロジーは何となく概念的にはわかるが、具体ではピンとこない。例えば、ワンチップメモリなどにどう情報をインプットさせるのかなどを記載していただくと理解がスムーズだったかもしれない。なお、島精機製作所のホールガーメントは1995年からあったとは知らなかった。今はユニクロなどがその技術を使って大量生産しているが、それに至るまではさまざまな苦労があったと推測する。2023/07/26
ネコタ
1
2003年の本なので古いが基本的なことを知るにはよい。大きいものをだんだん小さくしていくのか、小さい部品を組み立てていくのか。2015/02/08
たかD
1
バイオへの応用を見すえて,情報収集がてら読んだ.ナノテクノロジー(以下ナノテク)の第一人者による,ナノテクの紹介本.極微の世界の可能性を指摘したのち,産業や技術への応用を紹介し,将来的な展望で結ぶ.科学というよりは,ナノテクが与える社会への影響に焦点があるので,文系にも勧める.広大なナノテクを詳しすぎず簡単すぎず―で伝えられるのがすごい.ただし,ナノテクのボトムアップ的アプローチについて,そのシステム的な複雑さを完全に無視している部分は,かなり不満だった.情報がタイムリーなためだろうか.絶版が惜しい.2014/03/04
ドリアン・グレイ
0
10年も前の話なので自動運転車などがもうありふれて感じられた。日本の半導体産業は没落し続け政府のコンソーシアムなども失敗の連続だったわけだが本書の中ではまだ復活を期待しているのが物悲しい。世界標準となることの重要性はこの頃から言われていたのが収穫だった。2015/07/06