内容説明
美酒に酔い、つれづれなるままに書く、心地よい居場所を探す旅――王子の大衆酒場から銀座のそば屋、横浜・狸小路の豚珍味店、白金のビストロまで、楽しい語らいと和・洋・中の美味を肴に、心地よく一献傾けることができるお店こそ、まさに居酒屋。一皿一皿真心込めた料理へのまなざしと、その先に浮かび上がる自らの来し方に、小説家の凛としたたたずまいが伝わる、美味エッセイ。著者自筆挿絵入り!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MASA123
6
ここのお店ではこれを食べなきゃね的な食いしん坊エッセイではなかった。東京の居酒屋巡りの参考にはならないと思う。作者は芥川賞作家。 2022/05/03
ぺんぐぃん
3
久しぶりの著者の作品はエッセイ。それにしても著者はよく飲むのね~!ほんとにお酒が好きなんだ。私はお酒はほとんど飲まないので、その美味しさ、面白さはほとんど分からないけれど、入院中で流動食を食べていたから、肴がどれもめちゃくちゃおいしそうダ!2020/02/02
亀之助
2
ほんとお酒が好きなんですね。でもおいしそうに食べたり、呑んだりで俺もお付き合いしたくなったぜ。日本酒が好きな女性には感動するね。2010/02/22
ちいさな図書館
2
人が何か食べたり飲んだりしている本が大好きです。この本は、ものすごく食べ物が好きな人がパクパク食べてる感じではなく、じっくりじっくり、考えながら味わっているから面白い。それもその食べ物のことだけでなく、一緒に食べる人の雰囲気や、店員さんについても考えながら。食べるって、ただその食べ物を食べるだけじゃなくて、まわりの雰囲気まで食べてるんだよなぁ…と感じました。2009/11/17
もれ
1
意図がよくわからなかった。表題から想起するような居酒屋紹介本というていではなく、著者も美食家というわけでもない。著者の生い立ちや語りが長い。場合によっては、お店の名前すら紹介されず、著者の回想エピソードとお店との関連も私にはよくわからず…文体も心中語のようで、ぶつりぶつり切れて、はじめは馴染めなかった。酔っ払ってる感じを出したかったのかとも思った。内容は、フランクで痛快とも言えるが、主観重視の面倒くさいおばさんという感じを強く受けた。読者を選ぶ書き手なのか。救いは編集者のお店のセンスが良いということ。2016/07/14