内容説明
戊辰戦争の際、官軍と奥羽列藩同盟の間で武装中立を目指した長岡藩家老・河井継之助は、「英雄」として語られることが多い。しかし、彼は本当にそうだったのか――。藩を救うために諸国を巡った若き日、妻・すがとの絆、会津藩家老・秋月悌次郎や仙台藩隠密・細谷十太夫、そして武器商人エドワード・スネルとの親交を通して、動乱の時代を峻烈に生き抜いた人間・河井継之助の、真の姿に迫る感動の長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hrmt
26
継之助は日本の未来を見透し、譜代とはいえ八万石足らずの小藩では幕末の嵐に翻弄されるだけと断じ藩政改革へと乗り出す。戦をしないためにガトリング砲を買い、局外中立を目指しながら結果的に長岡を戦に巻き込んだ事への辛さをひた隠しての軍事指揮。名は知っていても何をした人物か知らなかったが、その突拍子もない行動力と胆力が痛快。この時代を牽引したのは、それまでの常識に縛られないそんな者たちだろう。“もしも中立を成せていたら”“仮に生き残っていたら”そんなどうしようもないことをつい考えてしまう、魅力的な人物像だった。2021/11/28
onasu
22
単に知らなかっただけですが、河井継之助が藩を刷新して難局に当たるのは、幕末も末の数年なんですね。(その刷新に関する記述が薄いのだけが残念でしたが) 何にしても、譜代の中でも指折りとはいえ、小藩の牧野家の長岡が、なぜ激戦地となったのか。継之助がいなければ、恭順するだけで被害が少なかっただろうにとは、典型的な後知恵ですが、僅か数年で力を蓄えたが故に。そして、次代を見通していた継之助が、旧態の怨嗟の的となることを望むという皮肉。 歴史小説の妙もたっぷり味わえた大著で、何れ司馬先生のも読むこととしておきます。2020/03/21
さや
6
名前だけは知っていたがあまり詳しくは知らなかった河井継之助が主人公。秋山さん作品なので人物がどこまでもかっこいい。弱さすらも魅力的に描かれる。長岡藩の財政の立て直しや軍制改革などを合理的に突き詰めていくが、そもそもその理由が民のためだったり、最終的には義を重んじたりというところにグッとくる。2020/09/26
かずぺん
5
河井継之助は幕末武士で一番好きです。この本を読んで尚更好きになりました。2020/05/20
にゃおまる
4
柔らかく描いてある。 今までで一番人間味はあるかも。2020/07/17
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