内容説明
将軍綱吉は、動物を愛していなかった──「生類憐みの令の全貌」が初めて明らかに。
徳川五代将軍綱吉は、二十数年もの間、生類憐みの令を出し続けた。
犬、馬から、鳥、魚介類、虫まで、あらゆる動物への慈愛を説き、その理念と実践を人々に強要したが、彼はなぜ、そこまで過剰な行為に走ったのか?
個人的な願望をこれほど赤裸々に表明し、周囲に強要し続けた将軍は、歴代将軍で綱吉しかいない。br>生類憐みの全法令をつぶさに検証し、綱吉の心の闇に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koichiro Minematsu
50
まだまだ序盤ですが、生類憐みの令と綱吉の関係性をこうも切り込むとは面白い。 たぶん綱吉に抱くイメージが変わります。 しかし、日本で最初の獣医師が素人の伝助ではないかと思う(笑) 当時は生類への半端ない綱吉の一挙手一投足が法令化に? もう少し読み進めます。2020/06/25
パトラッシュ
10
生類憐みの令について、最近の史学界では戦国以来の殺伐とした気風を改善したり動物愛護法の先駆と評価する声があるとは聞いていた。そんな見直し論に異議を唱え、事実を詳細に検証することで将軍綱吉が20年以上もこの法令を出し続けた理由を明らかにする。嫡子誕生に執着して精進の一環たる生類憐みを周囲に強要し、やがて聖人君主たる手段としての役割を見出し動物より人の命が軽い事態も招く。著者が描き出す人びとの迷惑より自分個人の理想こそ正しいと信じて疑わない綱吉は、絶対権力者となったアスペルガー症候群患者の可能性すら示唆する。2019/10/25
imagine
9
生類憐みの令は近年の研究において、文治国家の礎を築いた、命の尊さを再認識させた、などと再評価されているという。著者はこれに異を唱え、この法令が将軍綱吉の論理と感情から発令され続けたものであると主張する。その裏付けは、詳細に紐解いた具体例の数々。次々に(!)発令された文面の数々や、処罰の事例が羅列される。そこからは、祈祷に依存し不浄の回避に執心した綱吉の心情が立ち上がる。面白いのは綱吉に重用された僧、隆光がこの法令について一切語った形跡が無いこと。側近が感じた違和感を読み取る著者の眼差しが冴えている。2019/12/10
アーク
6
生類憐みの令の悪法ぶりと、江戸時代の人命の軽さに慄然とした一冊。もちろん動物を愛でることはいいことだけど、かといって動物を虐待したり釣りをしたら切腹はおろか一家お取り潰しってのはやり過ぎだよな。といっても捨て子を保護する側面もあったというのは新たな発見だった。権力者の気まぐれで庶民が迷惑を被るのは今も昔も同じだけど、つまるところ、この悪法が遺したものは一体何だったの、と読後にぼんやりと考えた。2019/11/21
onepei
5
なかなか過酷。犬が大八車に轢かれる事件がよくあったらしいが、鈍くさい犬が多かったのだろうか。2019/11/19
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