内容説明
一九九〇年,東洋の禅を中心とした仏教思想と西洋の現代医療を結びつけたジョン・カバットジン博士が,マインドフルネスについての最初の著作を上梓してから年月が流れ,現在では医療領域だけでなく,心理学,教育,産業,福祉,スポーツといったさまざまな分野での適応が広まりつつある。
わが国でも,二〇一二年のカバットジン博士の来日を契機に,マインドフルネスの普及が大きく推し進められることとなった。
本書は,わが国へのマインドフルネスの普及を主導してきた二人の医師,貝谷久宣,熊野宏昭が,それぞれマインドフルネスの導入・普及から医療現場での臨床応用の実際と,その脳科学的な理解について述べ,僧侶であり芥川賞作家でもある玄侑宗久が,マインドフルネスと仏教との関係を語った注目すべき講演録である。鼎談では,現代的な「不安」への対処から瞑想のコツ,またマインドフルネスの考え方とその理解までが語られ,最後に貝谷による,マインドフルネスと瞑想において重要な要素である「呼吸」についての随想を付した。
マインドフルネスについての理解と実践のヒントが詰まった楽しく学べる一冊である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
りえこ
13
興味深く読みました。それぞれの側面からお話してくださっていて面白かったです。2019/10/04
大竹 粋
7
マインドフルネスと坐禅を科学的に考察する本。玄侑さんが良い味をだしてらっしゃるが、やはり難しくなるなあと。誰がどんな立場で何を感じ何を言うのか、国内外のさまざまな角度の言説を浴びた上で、自らの禅体験とミックスさせて、血肉にしようと言う企みによる第一弾。次は西に行くか、仏教で彷徨うか。2022/09/09
たかこ
6
マインドフルネス、流行っている印象があるけれど怪しいものもたくさん。中途半端なマインドフルネスは世の中にいっぱいある。私自身もマインドフルネスのレクチャーを受けて、呼吸法・瞑想とボディスキャンを実行し始めてから効果は感じているがエビデンスとはどうなのよ…と思う。この本は、とても面白い3人の先生の組み合わせ。脳科学と仏教思想の折衷点がみられて深みがある。 日日是好日、あるがままの1日である。2019/08/31
九段下古本巡り
3
何万回も考える脳、そのほとんどは過去のこと、と言うことはかなり無駄遣いしていそう。世の中は無常であり、考えても仕方ないことばかり、だったらなぜ人間の脳はそんなにも考えるのだろう。ネガティヴ思考が出ても、囚われず出たなで終わることが脳トレになるとのことだが、、まぁ考えずマインドフルネスを実践し脳にいいことをしていきたい2024/04/27
shino
3
瞑想について3名の医者、研究者、僧侶が語っています。 具体的なエビデンスについては期待していたより少なかったが参考にはなりました。 うつ病はゆっくり休めと言われますが、実際は(脳は休めつつ)身体を動かした方が良いそうです。2020/06/24
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