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内容説明
2014年に『性依存症の治療』が出版されたが,そちらが性依存症の治療論を中心として編まれているのに対し,本書は,性依存症の「リアル」(現実)を纏めたものである。
「性依存症」と言われても,実際に当事者がどのような行動を起こすのか,知っている人は少ない。本書では「痴漢」「露出」「ストーカー」などの事例を用いて,加害者と被害者両面の現実を追う。また当事者の座談会も収録し,どういった気持ちで行動に至ったか,またその後の心情の変化,身の回りの変化など,生の声を聞くことができる。あわせて専門家の座談会も行った。性依存症の現実の背景には,どういった問題が潜んでいるのか,今後はどのように支えていけばいいのかを展望している。
「性とこころ」の問題は,美術,文学,宗教,映画,演劇,服装,結婚,職業など多岐に渡る。本書は,決して他人事ではない現実を知るきっかけの一助となるだろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みなみ
25
痴漢、露出、小児性愛、強姦、盗撮、セックス依存症等、性依存症のリアルについて、被害者や加害者の体験記を創作したもの。加害者の動機は身勝手なものばかりだけれど、それがリアルだったし、警察に検挙されてもそれでもやめることはできないのは確かに病気なのだろう。被害者視点の物語はどれも読んでいて胸がしめつけられるような思いになる。体験記という形式なので読みやすいが、依存症の恐ろしさを感じつつ読了。2022/09/11
gtn
10
痴漢や露出、ストーカー等加害者と被害者の体験談を掲載。被害女性の心の傷は重い。その割に、家族にさえも同情されないことが多い。一方、加害者は、何か抑えきれない衝動で罪を重ねる例が多く、「病」とみなされ精神治療を受けることが多いようだ。それが事実であっても、病気で片づけられては女性はたまらない。まずは、周りが被害女性のことを理解すること。無理解により、泣き寝入りを強いられることがあっては、二重の地獄である。2019/10/06
こしぼね
8
患者の多くは性犯罪者ではあるけれど、善悪はさておき彼らを温かく見つめる視点が欲しい、医療関係者である以上は。あんた(編著者)の方がよっぽど認知が歪んでいるんじゃないか。クリニック職員らとの座談会においても「その考え方は違うのでは」という声に対し全く無関係な別分野の喩え話を持ち出して煙に巻くなど、どうかと思う内容。あと、校正が甘く誤字脱字が多いのもマイナス印象。2016/06/02
にゃにゃんこ
4
性依存という名の犯罪者たちの気持ちと被害者の気持ちの乖離が激しい。強姦しても相手を傷つけなければいい、盗撮やのぞき見をしても相手に気づかれければいいという認知のゆがみにびっくりした。こういった性依存の人達が女性を人間として認識せず、自分の性のはけ口にしか考えていないということもよく理解できた。彼らに同情の余地はないと思うものの、やめなければいけないと葛藤し、苦しんでいるところもあるという事を理解しなければいけないとも思った。それでも被害にあった女性はこの犯罪者の何百倍も苦しんでいることをわかってほしい。 2018/05/27
KEIJI
2
生々しい性依存症のドキュメンタリーだ。気持ち悪ささえ感じてしまう。正にリアル。 誤植や、センテンスの挿入ミスなどの明らかな校正ミスが大変気になったのが残念。2024/03/24