内容説明
ホワイトハウスの暗い内懐に存在する、超危険人物が記された極秘名簿〈暗殺(キル)リスト〉。そこに、ネットでテロを扇動する狂信的イスラム主義者〈説教師〉が新たに加えられた。
サイバースペースに潜む扇動者を抹殺すべく、米秘密軍事組織「TOSA」のテロリスト・ハンターで海兵隊中佐〈追跡者〉に、プレジデンシヤル・エグゼクテイヴ・オーダー(大統領行政命令)が下る!
各国諜報機関や秘密組織、そして天才ハッカーを巻き込み、圧倒的リアリティで描く、戦慄の国際謀略サスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
111
この作者の作品もかなりご無沙汰していました。「ジャッカルの日」「オデッサ・ファイル」など国際陰謀ものでが多く映画化された作品もあり私は何度も読んできました。新たな作品が文庫化され楽しませてくれました。上巻ではネットで暗殺を扇動するイスラム主義者の犠牲者が米英で発生したことからこれに対応するテロリスト・ハンターがどのように育成されていくのかが中心でした。楽しめますが1冊にならないのですかね。2020/04/17
マルコ(Marco)
30
現実か虚構か読み手を混乱させるが、膨大な取材と細か過ぎる情報、が著者の特徴。イスラム教の配信動画で米英の高い地位の在る者を選んで抹殺せよ、とテロを煽る<説教師>。瞬く間にホワイトハウスの<キルリスト>に登録、抹殺する為にテロハンター<追跡者>に指令が…単行本発売当初(2014年)はビンラディンを連想するが、今ならISの指導者バグダディを連想、とまるで予言書の様。舞台はアフガン、パキスタンそしてソマリアへ、と如何にもな箇所が。中東の現状と情勢は、著者の小説が非常に分かり易い。やはり好きな作家。2020/03/19
きょちょ
21
ネット上でアメリカ人イギリス人を殺害せよとメッセージを送る狂信的イスラム主義者「説教師」。彼はアメリカやイギリスからの暗殺を逃れるため、様々な策を用い顔も覆面で覆い琥珀色の目しか表に出さない。その「説教師」の抹殺の指令を下されたアメリカ海軍中佐「追跡者」。淡々とした文章でフォーサイスらしいとも言えるが、彼の最高傑作には及ばない。けれども、どのようにして「説教師」の正体、居場所を特定するのかという点が面白い。しかし、200ページ少々で860円。上下に分ける必要もないのに、角川商法は昔から腹が立つよ。 ★★★2020/07/31
ponnnakano
4
読み始めてしばらく、昔のスパイ物が良かったなぁ、欧米だけが絶対正しいかのようなストーリーが引っかかるなぁ、と思ってたのだが、悔しいことに読んでいくと面白くなってきた。やっぱりフォーサイスは面白い。引っ掛かりはあるが、フィクションだよフィクション、と自分に言い聞かせつつ下巻へ。それにしてもこんなに薄いんだから上下巻に分けないで欲しいよ。2020/02/17
GOTI
3
評価は下巻読了後とします。十数年ぶりのフォーサイス。「ジャッカルの日」以来、全作読み続けてきました。迂闊にも「フォックス」や本作が上梓されていたことに気づかず。多分、十年以上前から新作が出る都度、これが最後との言葉に騙されていたのかも。「キル・リスト」とはホワイトハウスに存在すると言う「極秘暗殺対象名簿」。そこにネットを使ってテロを扇動する狂信的イスラム主義者「説教師」が加えられた。彼の教唆によりアメリカでは7人、イギリスでも4人が殉教者に殺害されていた。「説教師」を抹殺すべく海兵隊中佐「追跡者」が追う。2024/04/06