内容説明
心の原風景を探す旅。それは単なる回顧ではない。明日をより良く生きるための、不可欠の作業なのだ。仰ぎ見る空、ぽっかりとあいた心に吸いこまれていく音……。当代随一のノンフィクション作家と画家が、それぞれの記憶の深層を掘り起こし、「私という現象」の核心、自己形成の決定的な瞬間に迫る。刺戟的で稀有なコラボレーション。人はみな持っている、「失われた風景」を――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
団塊シニア
15
柳田邦男、伊勢英子夫婦の美しい文章は読み手を惹きつけるものがあった、特に伊勢氏の父親の晩年、進行がんで余命4ヵ月、アトリエで死ぬ生き方を選んだ、モルヒネで痛みを抑えながら絵を描き続けた、泣くかわりに笑い周囲のの人も笑わせ72歳の人生を終えたエピソードは心に残った。2023/07/04
minaseh
3
著者ふたりのそれぞれの話につられて、自分の事を思い返しながら読んだ本だった。読み返すたびに、違う事を思い出しそうだと思う。2013/05/23
芳乃
3
授業の資料で読んだ。気づいたらお二人の話のあとに、自分の話が頭に再生されていた。その話にしみじみとしたり、再び気づついたり、涙が出てきたりしたけどそれらも含めて、この一冊に出会えてよかった。2012/12/06
あおい
1
フツウの人は子供の頃の記憶とか、けっこうあるのね(;^_^Aって高校卒業あたりで気が付いた(遅っ)、今で言う発達〇〇とやらなのかな?中学でこっくりさんやってこっぴどくやられたと思ってる(ナニかは言えないw)んで自分は子供の頃からの記憶が希薄なのだ、と思ってたw,,,というのもあって人さまの子供の頃のハナシにも興味がある、面と向かっては聞けないので読むしかないw読んでもすぐ忘れちゃうがwそしてまともな親もちな人、まともな親戚のある人、まともな子供の親になっている人、要するにまともな人が羨ましくてしかたない2022/04/18
のせなーだ
1
胸にに響いた、思い出は喜び、苦しい悲劇も記憶として残る。それも個人差がある。「地球上で一番苦しんでいる動物が笑いを発明した」「人生後半になると色々なことを忘れていくからこそ現世への執着が薄れて死を受け入れられるようになる」記憶と忘却、どうなっているのだろう。2019/02/23
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