- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
ご用とお急ぎの方、だまされたと思ってページをめくってごらん。損はさせない。八代目文楽の語りの向こうに江戸の崩壊を見、五代目志ん生の噺の彼方に黄塵万丈の大陸風景を幻視する、平岡正明の落語論は、躍動(グルーヴ)し、疾走する。そのスピードにただ身を任せ、リズムに酔え! ――こんな本が読めるなんて、嬉しいねぇ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
2
志ん生と文楽、昭和の名人ふたりを題材に、落語のエッセンスを論じる手腕の見事さ。生で聴くジャズ演奏は、演奏者の姿が邪魔だとまで云い切る著者の落語論だけあって、素材は録音々源。聴覚と思考とを直結させたかのような文章は、シュルレアリズムの自動記述にも似た自由さと個性の強さが味わえる。まるで、著者の脳内でニューロンが継っていく様子を見ているような感覚を憶えた。ただ、こうした強さが自分にはないので、落語は生で味わいたいけれど。まぁ、下手な真打聴くくらいなら、志ん生の音源のほうがずっとずっと幸せなのは認める。2011/09/22
OMO
1
面白さ:○ 興味:○ 読みやすさ:○ 新鮮さ:○ 文学的云々:×2023/02/01
小祝
1
かなり興味深い評論。何十回も聴いた文楽のつるつるが、こういう視点で聴くと違った世界に見えてくる。富久の文楽と志ん生の違いもそうだよなあと。圓生論がもっと読んでみたかった。惜しい人を亡くした2010/07/19
城下あいり
1
円楽襲名披露で並んでいる時によんだ。なんにしても文庫化されてうれしい2010/03/30