純潔

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純潔

  • 著者名:嶽本野ばら【著】
  • 価格 ¥3,190(本体¥2,900)
  • 新潮社(2020/01発売)
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  • ポイント 870pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784104660063

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内容説明

東日本大震災の翌年、僕は京都から上京した。君は大学のキャンパスで独り本当の幸せと政治闘争を訴え、浮きまくっていた。啄木の短歌を諳んじるような純朴な僕はアニメ研究会に引きずり込まれ、ヲタの洗礼を受けつつ、君に惹かれ、身を投じていく。「新潮」掲載から改稿四年余、時代閉塞と生きにくさを打破する政治恋愛小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とくけんちょ

50
現代を生きる革命戦士たちが何を思うか。右や左を一人の人物に絞り込み、それぞれに対話させ、将来を模索する。そのエネルギーは、純潔というタイトルといい、真っ白な装丁といい、汚れない真っ直ぐであるということは伝わるが、結局は何が言いたいのかよくわからない。ただ、革命と愛と両者に通ずる純粋な気持ち、高潔であるべきと考えるがゆえに苦悩する人間模様がみえる。結末は強引である。2019/10/02

そうたそ

13
★★★☆☆ 大学生・柊がキャンパスで出会った北据。柊は、ひとりで政治活動を行う彼女に惹かれ、やがては政治活動に足を踏み入れていくことになる。政治論やら哲学やらオタクカルチャーやら、とにかく現時点での嶽本野ばらの集大成と言えるような作品。大枠で見れば、柊と北据との恋愛及び青春ストーリーであるが、これでもかというほどに書き込まれる政治論等々がとにかく凄まじい。よく分からず読み飛ばしたようなところもあるが、それをも凌駕するような作品の熱量に読まされてしまう。

あっきー

13
✴4 青くて痛くてなんとかのヘタレ大学生の青春小説の体裁から始まる嶽本の思想小説、ヘーゲルを目の敵にしていたショーペンハウアーの唯心論に対してマルクスの弁証法的唯物論を正反合することで、唯心論にこそ個人の自由があり現実を変革する力だとするのは今の自分の関心事だ、「幸福について」が本文中で推されている、「すべての真の純潔な愛は、いなすべての自由な正義でさえもが、個体化の原理を突き破って見る洞察からはじまっている、この洞察が十分な効果を発揮して立ち現れるときに、完全この上ない救済と解脱がもたらされるであろう」2019/10/02

ゆきだるま

5
期待していた嶽本野ばら作品じゃなかった。でも、いちばん熱い作品に感じた。アニヲタ、そして政治、国家、経済に対する思想家たち、、知らない世界を見た。そこに生きる人たちは濃かった。そして、主人公は薄かった、気がした、それなのに、それなのに、、。 あ、アニメ研の人たち、好きだなあ。主人公がこの部室に戻るとわたしは安心感を覚えてた。 あと、この本に関して著者のインタビュー記事を読んだけど、興味深いものだった。2019/11/27

空飛び猫

4
その革命が目指したものは 幸せとは、何か2019/10/26

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