内容説明
罪、悪、愛、天使……キリスト教の重大概念を正統的に解釈し、説く対談集
「罪」は元来、人が「的外れ」に生きることを指した? 「悪」は「善の欠如」か、より能動的なものか。キリスト者二人の刺激的対談。
※この電子書籍は2018年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Francis
12
著者の山本芳久、若松英輔両氏ともカトリック信徒。特に山本先生はNHK文化センター「使徒言行録を読む」「創世記を読む」の講師でもあり、その学識と信仰には敬服しております。様々な論点から対話が重ねられ、どれも面白い。日本ではまだキリスト教の歩みがまだ100年に過ぎないのだから、むしろこれからに可能性がある、あるいは現代は聖性を取り戻すべきである、と言う言葉に強く惹かれるものがあった。何度でも読みたい本であり、私のカトリック信仰を深める上で大変参考になる本である。2023/06/30
Tenouji
9
キリスト教的世界観を知りたくて読んでみた。お二人の対話を読む限り、キリスト教は、イエスを頂点に、議論をつくすことによって、ロゴス的世界を乗り越えようとする:矛盾を特異点で反転させようとする、一つの作法であるように感じました。これは、これで、非常に興味深い内容でありますね。2025/08/14
よしくん
5
これまで西洋哲学を読んで来た中で、なんか腑に落ちないなぁと思って来た事が大体書いてある事に驚いた。受肉の思想、ロゴスへの信頼、悪の定義...、特にイエスが神の子として人間の世界に産まれて来た事で私達と神とが結びついた、なんて話は、神がいるとかなんで人間に分かると言えるのか?とか、神の子が人間界に現れたとする所がキリスト教の凄い所だとかいうけど何が凄いのか分からん、とかそんなこれまで持ってた疑問が晴れた。勿論理屈としてはそういう事なんだって知ってた訳だけども、この本で納得が出来た感がとても強くある。2023/08/21
Ise Tsuyoshi
3
愛・神秘・言葉・歴史・悪・聖性について、2人のキリスト者が縦横無尽に語り合う。山本氏はまえがきで入門でもなければ概論でもないと断っているが、キリスト教とは何かを、これほど門外漢にもわかりやすく説いた本は、なかなかないと思う。「イエス・キリスト」とは一つの信仰告白。「神と人がまったく別の存在なのではなく、神と人とが結びつくことが可能だということがキリストの存在そのものにおいて示された」「我々ひとりひとりもまた、神と深く結びつくことが可能であることが示された、それゆえに救いであると言えるのです」(p.104)2025/04/13
ハンギ
1
とても良い本で、キリスト教にとって大事な概念や言葉について二人の方が議論をするという形式を取られています。1人は文筆家の若松英輔さんでもう1人はトマスアキナスの研究者ということです。私はプロテスタントだけど、お二人ともカトリックだけれどもあまり違和感を感じませんでした。愛はアガペーとエロスに分かれてアガペーの方が立派であるというのはむしろ常識と感じていたが、エロス的なアウグスティヌス的な愛が現代では支持されるという話を聞いてなるほど、と思いました。キリスト教はまだ日が浅いという話に納得しました。2024/01/26
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