梅と水仙

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梅と水仙

  • 著者名:植松三十里
  • 価格 ¥1,699(本体¥1,545)
  • PHP研究所(2019/12発売)
  • 5/5はこどもの日!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569845661

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内容説明

冬枯れの中、真っ先に咲く花とならん――新5,000円札の肖像で話題! 津田塾大学の創設者・津田梅子と、その父・津田仙の波瀾の生涯を描いた感動作。佐倉藩士として生まれた津田仙は、幕府通詞として福沢諭吉らとともにアメリカへ派遣されるなど将来を目されていたが、幕府瓦解後は西洋野菜の栽培などを手掛けながら、日本の農業の改革を志していた。自身の夢を託すべく、男子の誕生を待ち望むも、生まれたのは女の子で、仙は子供の名前も付けないほど落胆する。やがて、仙は開拓使長官・黒田清隆に呼び出され、出仕することに。そこで女子留学生を渡米させる計画を聞いた仙は、聡明さの片鱗を見せていた、わずか6歳の娘・梅子を推薦する。日本初の女子留学生として、最年少で渡米し、17歳で帰国した津田梅子だったが、すでに日本語を忘れており、日米の文化の違いや周囲との軋轢、そして父との葛藤に悩むことになる。山川捨松や伊藤博文らと交流を結びながら、苦闘の末、女子教育の先駆けとなった津田梅子と、その父の人生を描いた感動の歴史小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

93
津田梅子と父・津田仙を描いた物語。わずか6歳でアメリカに渡った梅子が17歳で帰国、父との葛藤や周囲との軋轢に悩み、女子教育の先駆けとなった生涯。読みやすい文章で一気に読了しました。明治の日本は意識の高い女性にとって生き難かったでしょうね。お薦め本です。2020/01/31

あすなろ

76
植松氏による津田梅子と津田塾の作品。と思しきや、その父親の津田仙と津田梅即ち津田梅子の半生に焦点を当てた作品。しかし、やはり植松氏作品に外れなし。そして僕はどちらかというと、この父親 仙に肩入れして読み終えたのである。そして素敵な勝海舟。その他さり気ない筆での精緻さを与える植松氏による当時の歴史・習俗・人物書き込み。まだまだ植松氏の未読作品に期待が同時に昂まったのであった。2020/04/04

trazom

76
津田梅(梅子)の物語であるが、娘を持つ父親として、どうしても、父・仙に感情移入しながら読んでしまう。6歳の娘を10年間のアメリカ留学に送り出す気持ち、あんなに苦労して帰国した娘に活躍の場を与えられないもどかしさ、自らの不義に対する罪悪感などに苦しむ父のたじろぎが、痛いほどわかる。梅を含む、五人の女子留学生が、五人五様に、女性としての幸せの形を求めて健気に生きている姿にも心打たれる。そんな彼女たちの善性に救われ、時々目頭が熱くなる。父と娘の心をつなぐようなタイトルも、素敵だと思う。2020/03/16

真理そら

66
津田梅子の父の津田仙も凄い人だ。父は青山学院創立に、娘は津田塾創立に尽力するとはどれほど教育に熱心な家族なのだろうと驚いた。6歳の女の子なのに渡米する方もさせる方もなみの覚悟ではないが、明治の初期を生き抜くにはこういう勇気も必要だったのかもしれない。勝海舟や森有礼等有名人も多く登場するが伊藤博文が気持ちの良い人物に描かれている(女癖は悪いけれど)。2020/10/19

Ikutan

63
以前読んだ『ひとり白虎』がとても良かったので、こちらも期待大。津田塾大学創始者の津田梅子の物語。だけではなく、女子教育に目を向け、また農業の発展に尽力した、彼女の父親、津田仙の物語でもありました。わずか6歳でアメリカに渡り、10年間も留学生活を送った梅。幼い少女にとってどんなに心細く重荷だったことか。一方、帰国後、不自由な日本語のため、なかなかその能力を生かすことができない梅を見つめる、父親の歯痒さや罪悪感も伝わってきます。一緒に時を過ごした5人の留学生に救われた後半でしたが、少し駆け足だったのが残念。2020/04/02

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