内容説明
銀座の老舗「森むら」を舞台に、少女が一人前の女になるまでを、旧家の誇りに生きる人々を絡めて描く「築地川」。師である日本画家・滝川清澄への思慕を絶つため、葛飾に嫁していった女弟子の懊悩を、水郷の景物を背景に美しく描く「葛飾の女」。胸奥に火を抱く、繊細で華奢な女たちの、ひたむきな生をうたいあげた、下町の感性を受け継ぐ女三代記の名作2編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みなみ
10
Kindle Unlimited で読了。銀座でアクセサリーやバッグを販売する老舗の「森むら」で働く病弱な萬里子(築地川)・絵を描きたくて著名な画家に弟子入りした真紀(葛飾の女)。ともに若い女性を主人公とした2作が収録されている。萬里子はバッグのデザインをするし真紀は荒削りながら絵の才能がある。芸術的な資質のある女性の生き様を恋愛をからめて描く。こまかい心理描写や、女を支配したがるタイプの男性の描き方にリアリティーと厚みがある。過去の東京の風俗や情景がくわしく描かれるのもいい。2023/02/11
nureyev
0
もう10年以上まえに古本で手に入れた本 その当時は芝木好子が「洲崎パラダイス」の原作者とは知らなかったので、多分題名に惹かれて買ったのだろう 特に「築地川」が印象に残った 女性の東京人でなければ書けない小説2014/04/29
-
- 和書
- チリとチリリ