ファミ通文庫<br> 天才少女Aと告白するノベルゲーム

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ファミ通文庫
天才少女Aと告白するノベルゲーム

  • ISBN:9784047358935

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内容説明

大好きなフリーゲーム制作者Aに会うため、桜山学園ゲーム制作部に入った水谷湊。しかしAと思われる部長の菖蒲は不登校になっていた。彼女の幼馴染みで学園きっての変わり者由井と、菖蒲が学校に来るよう企画をたてるも不発に終わってしまう。大人しくゲーム作りに励む湊のもとに、ひとつのノベルゲームが送られてきた。『バッドエンドを探せ』と題されたゲームには菖蒲と部員のトラブルが綴られてゆく。これは告発? それとも――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

36
大好きなフリーゲーム制作者Aに会うため、桜山学園ゲーム制作部に入った水谷湊。しかしAと思しき部長の菖蒲は不登校で、彼女が学校に来るよう部員たちから託される青春小説。仲が良さげなゲーム部員が抱える苦い過去、そして湊のもとに送られてきたひとつのノベルゲームが示唆する過去。部員それぞれの事情が明らかになってゆくたびに彼らの印象も変化して、構図が二転三転した末の決着は新たな違和感に繋がって、確執が残る母とも向き合いつつバットエンドに隠されていた真相を見出して、大切な笑顔を取り戻してみせた結末がとても印象的でした。2019/12/26

トラシショウ。

28
「楽しい時間を過ごす事が、無駄な訳無い。そんな当たり前の事を解ってない大人が多過ぎる」。バッドエンドの、その先へ。フリーゲーム「鬼ヶ島」に心救われ、感銘を受けた水谷湊は、そのソフトを作ったゲーム部のある桜川高校へと上京、進学する。そこで作者であり個人的に交流を深めていた少女「A」との出逢いを期待していたが、「A」と目される菖蒲は不登校、由井を始めとする個性豊かな部員達は廃部の危機にも関わらず空中分解寸前の有り様。入部した湊は由井と共にその建て直しを図るが。正直、ちょっと期待外れかな(以下コメ欄に余談)。2020/03/02

ツバサ

15
ゲーム作りではなく、名作ゲームを作ったことにより、生み出された悲劇を外部から来た主人公が解いていくというもの。真実は優しいような苦いような、その気持ちの揺れ幅を青春に当てはめるというのに作者の持ち味が出ていました。2019/12/30

ぶなぶな

12
大好きなフリーゲームを制作したゲーム部に入った湊だが、企画者のAには会えず。あるときゲーム制作の様子を再現したノベルゲームが届けられ…という青春ミステリ。変わり者の由井と登校拒否の菖蒲の関係、過去の自殺事件と真相はなかなか重たい。これは仕方のない結末で変えようがないのだろう。嫌われたくないのも嫌いになれないのも普通のことだが、もっと大切なことに気付き、確かな絆を信じて真実に辿り着けたならきっと大丈夫だと思う。もう隠しごとをしないで思いのままにゲームを作れる。楽しむために生きるのだ。2020/02/19

げんごろう

12
ゲーム部を舞台に繰り広げられる学園ミステリー作品。 最初はゲーム制作メインの話かなと読み始めましたが、良い意味で裏切られました。 生々しく描かれた親愛や憎悪、信頼や不信といった様々な感情。至る所に散りばめられた伏線。そしてそれを回収し二転三転する展開にページを捲る手が止まりませんでした。 主人公の成長もしっかりと描かれており満足出来る一冊でした。 読了後、もう一度読み返したくなる作品ですね。 2020/01/10

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