魔法のサーカスと奇跡の本

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魔法のサーカスと奇跡の本

  • ISBN:9784488011000

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内容説明

図書館員のサイモンの元へ、未知の書籍商から送られてきた一冊の本。それは18世紀のサーカス団長が書いた日誌だった。姿を隠す術を使う少年とマーメイドの少女、少年にタロット占いを教える予言者。さまざまな人物が登場し、ところどころに挿絵がある。そしてなぜか、表紙の裏に母が子供のころに亡くなった祖母の名が記されていた。この本によって、サイモンは祖母と母親を含む母方の女性が、いずれも7月24日に溺死していたと知る。そんなとき、6年以上も家を空けていた妹のエノーラが突然帰ってきた。妹は一心不乱にタロットカードをめくっている。入水自殺する前の母と同じように。一族には死の呪いがかけられており、妹の身が危ないのでは――。サイモンは本を手がかりに家族の秘密を探り始める。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

23
現在と過去を交錯させながらある一族の因縁話を明かしていくミステリ&ファンタジー。2020/06/11

hagen

17
物語に登場する巡業サーカスは、最近視聴したHBO制作の海外テレビドラマシリーズの『カーニバル』の世界観を連想。図書館員サイモンの母親の自殺から不可解な死を遂げた先人達を辿る一言一行は、物語の交互に現れる唖者の初年アモスとマーメイドのエヴァンジェリンの軸になる物語と次第にリンクしながら核心に向かう。この小説が謎解きを前面に打ち出したファンタジーに終わらないのは、盛り沢山の癖のある人物を登場させ、緻密な仕掛けに裏付けされた構想と人智を越えた因襲を何重にも積み重ね事によって読者を十分に引き寄せる力を持つからか。2020/09/17

Aki

9
古書にまつわる家族の謎にサーカスを舞台にした過去の物語が絡みあい、グイグイ読ませる。過去のサーカス一座の旅物語は、登場人物も魅力的で読みどころ。家族の謎の解決がスッキリしない嫌いはあるが、童話としては互いを信じる強さ尊さのメッセージも嫌味がなく物語世界を堪能できた。2020/07/10

藤中恭美

8
あらすじはなかなか面白いのですが、古本に書かれた物語と現代の物語がちょっとありきたりで興味をそそるものではない感じがして、ワクワクするような謎めく展開にならなかったのが残念という感じかも。 なんとなくキャラクターが弱かったように思う。 なので謎自体は面白いのだけれど、ファンタジーのお手本という枠から出られなかったという感じで、そこのところがまだ書きなれていないデビュー作ということなのかもしれない。★★★2020/02/05

本の蟲

8
数世代にわたる因縁と呪いと本の話。崖沿いの家が海の侵食により、勤めている図書館が予算削減により職を失いつつある主人公。両親は幼いころ亡くなり、家を飛び出た妹はろくに帰ってこない。ある日、未知の古書商から送られてきたのは古いサーカス団の日誌。会ったことのない祖母の名前が記されているという。祖母は、主人公の母親と同じ日付・同じ死因で亡くなっていた。調べていくと母方の女は、皆若くして同じ日付に死んでいる。我が家は呪われているのか。生前の母や妹がサーカスに勤めているのは偶然か。呪いを解く方法は?2020/02/04

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