角川文庫<br> ライオン・ブルー

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角川文庫
ライオン・ブルー

  • 著者名:呉勝浩【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • KADOKAWA(2019/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041086322

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内容説明

関西某県の田舎町、獅子追町の交番に勤務する制服警官・長原が拳銃を持ったまま姿を消した。県警本部が捜査に乗り出すも、長原の行方は見つからない。同期の耀司は獅子追への異動を志願、真相を探ろうとする。やがて町のゴミ屋敷から出火し、家主の毛利が遺体で見つかった。事件性なしとされるが、数週間後、警ら中に発砲音を耳にした耀司はヤクザの金居の銃殺死体を目にする。さらに現場に落ちていた凶器が、長原の持ち去った拳銃だと判明し――。
怒濤の展開が待ち受ける、乱歩賞作家渾身の警察ミステリ。スピンオフ短編「蛇の作法」を特別収録。

――第31回山本周五郎賞最終候補作

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えみ

60
誰よりも法を守り、正義感を強く持ち、無辜の民の為に職務を全うしてほしいと願うのはこの小説の舞台・獅子追町に限って言えば世界から戦争を無くすより難しいだろう。獅子追交番に勤務する制服警官達の鬱屈した態度と頭から足先まで真っ黒に染まり闇に溶け込んで息を殺す態度。まさかの隠蔽捜査?関わっているのだろうか、警察官が…その事件に。という疑惑。全てが嫌な予感しかない。権力者の顔色を窺いながら暮らす住人と警察によって、警察官失踪事件と不審な遺体が見つかる重大事案さえ真相究明が滞る。狂った町が人を喰らう、狂気の警察小説。2021/08/29

ばんだねいっぺい

26
地縁血縁の網目で酸素が薄くなる田舎の現実の描写の上手さに手を打った。 自分なりの正義を貫こうとする主人公の格好悪さを顧みないあがき方が良かった。成長譚とも言えるだろうか。違う作品も読みたくなる作家さん。2020/04/03

25
なんだろう、登場人物の閉塞感とヤクザと権力者に牛耳られる地方の田舎町の閉塞感に息が詰まるような読書だった。甲子園に出場しながら野球に挫折した主人公と、それをネタにして揶揄ったり蔑んだりする故郷の人間や、警察という職場の悪意。どちらを向いても悪意しか読み取れず、なかなかページが進まなかった。唯一の救いは主人公を責める事なく、何も言わずにただただ支え続けて来た家族の存在に気付けた事かな。2021/05/06

あるひ

19
まさかの展開で後半からおもしろくなった。ストーリーとしては好みじゃないし、キャラの描き方が物足りないひともいるけれど、イヤなヤツだと思っていたアキミツちゃんがどんどんカッコよく見えてきて、エンタメとして楽しめた。2023/05/25

TAKA

19
「スワン」が面白かったのでこの作品を読んでみた。が、主人公の暗い性格の様に物語全体がどんよりした感じになっていて読み辛かった。田舎の人々や警察の体質も馴染めなかった。2020/02/06

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