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内容説明
古代の鏡は考古学において重要な資料である。しかし、その意味や役割についてはこれまでほとんど知られてこなかった。最前線の研究に基づき考古学の重要な理論や方法論をわかりやすく示しつつ、複雑で難解な鏡の研究史を整理。邪馬台国以前から、倭の五王の時代、6世紀の磐井の乱の時代まで、遺跡から出土する鏡の形態や製作地、列島内での流通と分布を丁寧に解説する。日本列島の国家形成の歩みを古代の鏡から映し出す試み。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うしうし
8
極めてオーソドックスな考古学的な研究手法で、弥生時代から古墳時代にかけての鏡をめぐる文化史・政治史を論述した書籍。用語や概念などが難解である点も多いが、近年の研究成果を十分に咀嚼しており、巻末の参考文献目録も極めて有用。 2020/01/13
星乃
5
弥生中期~古墳時代~飛鳥時代まで、綿々と続く古墳と鏡の歴史。これまで何冊か鏡関連の本を読んだが、本書は歴史の流れと鏡の変遷が時系列できちんと整理されていて鏡初心者の私でもわかりやすい内容でした。日本において鏡が流行→衰退→復活→消滅などさまざまに変貌するのは、単に日本一国の事情によるものではなく、銅の入手先の朝鮮半島や、鏡の出生国である中国などの戦況も要因。島国のイメージが強い日本だが、ユーラシアの中の一員であることに気付かされる。2024/11/11
A.Sakurai
3
古墳時代の考古学をフォローしなくなってだいぶ経つのだが,良いまとめとの書評を読んで手にとった.考古学論文風の文章なので一般書としては難解だと思うが基本用語がわかっていれば問題ない.古代鏡の詳細な様式,制作方法,原材料を丹念に調べて,モノの事実から当時の社会状況を推測していくという,考古学の教科書的な内容.鏡の研究から240年ころに古墳時代がいきなり始まり,奈良盆地が対外窓口の中心になり地域間関係が変わったことを実証するが,それがナゼか?まとめはあるものの今ひとつはっきりしない.2020/02/23
おらひらお
3
2019年初版。一般の人にも手にとりやすい考古学関連の本。弥生時代の北部九州の評価がやや低い気もしますが、集落関係の調査や分析が今後求められますね。内容も落ち着いたもので、大学のゼミ等でも活用されそうです。2020/02/16
ナオ
2
一般の人にはやや難解か。水先案内モデルは使えそう。2020/04/08