内容説明
第二次安倍政権誕生後の7年間、日本の防衛費は右肩上がりを続けている。その多くを占めるのが米国製兵器の購入費や維持費だ。対日貿易赤字を減らしたいトランプ大統領が仕掛けるディールに応じ、官邸主導の兵器購入が進む実態を徹底取材で解明する。
本書の基になった東京新聞の調査報道キャンペーン「税を追う」は2018年10月29日から掲載が始まった。税の流れを追い、無駄づかいや政官財界の利権を明らかにするのが目的で、防衛省の兵器調達予算や沖縄・辺野古の米軍新基地建設工事、東京五輪予算、医療費・薬剤費などのテーマを掘り下げ、2019年11月までに約130本のニュース・連載記事を掲載し継続している。一連の記事は、2019年の日本ジャーナリスト会議(JCJ)大賞を受賞した。本書は第2次安倍政権で増大する防衛費に絞って追加取材し、自動車関税の引き上げを切り札に日本に兵器購入を迫るトランプ米大統領の戦略や、官邸主導で米国製兵器の輸入を拡大させ、再び軍拡の道を進み始めた日本の防衛戦略の内実に迫った。本書の取材・執筆は鷲野史彦、原昌志、中澤誠、望月衣塑子、藤川大樹が担当した。
【主な内容】
第1章 自衛隊を席巻する米国兵器~トランプ大統領の兵器ディール
第2章 アメリカ絶対優位の兵器取引~対外有償軍事援助
第3章 降って湧いた導入計画~ミサイル防衛のイージス・アショア
第4章 実は火の車の防衛費~米国兵器爆買いのツケ
第5章 聖域化する防衛費~兵器輸入拡大で禁じ手連発
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりん
28
日米同盟は重要だけどトランプの言いなりになるべきではない。山口、秋田の陸上イージス停止は当然。防衛予算の兵器ローンは年々増加。自動車の関税を上げさせない見返りの兵器購入をしても、関税引き上げされない保証はない。防衛トップも専門家がなるべき。天下りの報酬が賄賂だったり、無計画な辺野古移設に伴う米軍基地工事。名護市長が変わると計画も右往左往している。利権を貪ろうとする政治家や業者は住民のことを考えていない。コロナ対応で批判される安倍&トランプ。でもそろそろ攻撃されオトモダチとして要求をのんでいくのか?2020/06/21
inami
28
◉読書 ★3.5 2019年度「兵器ローン:後年度負担」は5.3兆円となり、年間防衛予算(5.26兆円)を上回った。トランプ大統領得意の脅しとも取れるディール(取引)に、安倍首相が引き込まれ兵器を爆買している。ステルス戦闘機F35A/Bを105機(1.26兆円)、イージス・アショア(6000億円超)については、北朝鮮から秋田、山口へ向かう延長線上のハワイ・グアム島を守るために導入するようなもの。災害時等の現場で活動する自衛隊員には頭が下がるが、国防のビジョンもなく血税をアメリカに搾取されている実態には・・2020/01/20
紫の煙
13
本書で降って湧いたと書かれているイージス・アショアを白紙撤回するニュースが流れた。いかにいい加減な計画だったのかよくわかる結末だ。自動車関税を握られているトランプの言うことを聞いて、言い値で兵器を買い続けなければならない。しかも、兵器ローンで。補正予算を使った防衛予算のごまかしなど、信用できない政府の実態が明らかにされている。2020/06/19
くものすけ
13
東京新聞の記者らはちゃんと仕事をやられているという事が分かった。ここまで深く取材された根性のようなものが感じられる。それにしてもアメリカから高額な兵器をほいほいと購入してしまう安倍政権には呆れる。自動車関税を上げられるという切り札を振りかざし、借金までして国民の税を使いまくる本当の理由が分からない。イージスアショア、辺野古吉の移設、天下り場所の確保の官僚の動きとか目を覆いたくなる惨状に身震いする。その番人である検事長の体たらくは酷すぎる。2020/05/22
ちょび
8
東京新聞さん頑張ってくれています。マスコミ・メディアの本来の姿が見えます。中央紙は(地方紙もそうですが)すべてと言っていい位に一流企業の社員化(帰属意識化)が目に余ります。読者に、市民に伝えなければいけないことをスルーしてしまう。矮小化して伝えるetc。兵器ローン残高5兆円超え、軍事費トータル10兆円超え!!ローンで兵器買ってはダメでしょう。米戦闘機105機で1兆円超え!すべては私たちの税金ですから!!2020/06/04
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