内容説明
なぜ大人たちも魅了されるのか。「子ども向け」とわが国では一面的に見られがちなマザーグース。英語圏では、どのように歌われ遊ばれているのか研究するため、イギリスに留学。わらべうたよりも広がりを持ち、大人の文化とも密接に関連し、音声文化面を抜きには理解できない、豊饒な世界を見出す。大人から子どもまで、目で、耳で、口で、そして体でも楽しめる全体像を体得した著者が、内容の面白さと魅力を具体的に説き明かす。
目次
第1章 マザーグースって?
第2章 ロンドン橋おちる!
第3章 リズムと韻の魅力
第4章 マザーグースとわらべうた
第5章 男と女の心模様
第6章 クリスマスシーズン
第7章 みんなちがってみんないい
第8章 マザーグース日本渡来
第9章 大人と子どもの共通文化
著者等紹介
鷲津名都江[ワシズナツエ]
愛知県生まれ。目白大学外国語学部教授。青山学院大学文学部英米文学科並びに教育学科卒業。同大学院教育学専攻修士課程修了。1986~90年、ロンドン大学教育学研究所に留学。英語英文科母語教育専攻修士課程修了、MA。4歳より小鳩くるみの芸名でビクター専属歌手。留学以降は、教育活動並びにマザーグース研究に専念。久留島武彦文化賞、日本童謡賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カッパ
12
何それ?とまったくマザーグースについて無知だった私。言葉から知ってみたいな。なんて思ってこの本を図書館で借りてみました。どうやら童謡の総称てはないよ!というのが驚きポイントなよう。でもわからなすぎて終わったという。なんとも残念な展開でした。2020/06/25
こだま
6
ジューンブライドの由来などイギリス文化を知ることもできます。2015/09/30
Arowana
4
イギリス文化や英語の韻とリズムのもつ独特の魅力を紹介しつつ、マザーグースをとおしてこどもたちが創り上げるワンダーランドへといざなってくれるすてきな良書。筆者の明朗で空想力豊かなお人柄がたいへんよく伝わってきて感動的な気分を味わうことができる。2013/04/12
ゆーき
3
勉強用。図書館でこの本を見つけて、何となく惹かれたので。マザーグースだけでなく、イギリス文化についても知ることができました。塀の上のハンプティ・ダンプティは卵→落ちたら戻らない(「覆水盆に返らず」みたいな) 「バスの運転手」の問題は「セント・アイヴィスへの道中で」? ジューン・ブライド→昔、キリスト教会では十二月から四月までの結婚が禁止されてちたこと、五月は言い伝えで縁起が悪いと言われていたこと、七月は農繁期だったことから六月がいいとされていた2019/03/10
柊 ユウ
2
大学1年のとき「マザーグースさん」と英詩専門の先生の前で言って恥をかいたことがあります笑。マザーグースの入門書としては最適。なぜマザーグースというのか、マザーグースを引用した有名な作品など幅広く扱っています。常識として問われるマザーグース、英語学習者なら知っていても損はないと確信できました。少し述べられていた日本のわらべうた衰退についても興味深かったです。2010/12/10