内容説明
400年余り続いた漢帝国が滅び、魏・蜀・呉が天下を三分して覇を競う動乱の時代が訪れた中国。
「治世の能臣、乱世の姦雄」と評された稀代の傑物・曹操。
漢王室再興の大義を掲げ、蜀漢建国を果たした英傑・劉備。
曹・劉の間に立ち回り勢力を拡大する一代の英雄・孫権。
……正史として書かれた『三国志』をひもとき、小説『三国志演義』では描かれなかった群雄の真の姿を、三国志研究の第一人者がわかりやすく解説する。入門に最適な一冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiyu
5
三国志における有名な武将のエピソードをみると、確かにタイトルの通りであった。中でも曹操のイメージやその功績に触れられており納得も行くものでもあった。2024/02/19
ryo
3
三国志研究者として名高い渡邉義浩が書いた三国志入門書。読むにはある程度三国志の「ノリ」がわかってないといまいち響いてこないかもしれない。入門らしい箇所は前段の概要の数十ページで、そこから仁や孝などの観点から選出された英雄たちの解説に入る。劉備が孔明に遺した言葉の解釈など、著者特有の観察が随所に見られる。泣いてばかりの英雄ではなく傭兵隊長として腕を鳴らしていた正史の劉備、貂蝉が不義を行いながらも孝を貫く美徳、三国志の立役者といっても過言ではない魯粛の活躍など、にわかの自分にとっては多くの知見が得られた良書。2021/12/26
toriarii
3
最近本読む気力が無かったので、リハビリの一環で読む。 演義、正史を中心にその他のエピソードも交えて、三国志の中心人物を解説してくれている。三国時代の士大夫を中心とした社会と、その支持を基に勢力を確保した曹操、劉備、袁紹、孫権、司馬懿、諸葛亮等の人物と、後世民衆の人気を得た関羽、張飛等の武将の話を様々なエピソードを交えた解説と紹介が非常に読みやすい。後漢末期から始まる君主権力と士大夫階級の権力闘争から、西晋以降の身分制の確立による貴族社会につながっていく流れをコンパクトにまとめている。2021/10/28