内容説明
ウェブにアップされた『コーラン』「ハディース」。一部の宗教エリートのものだった知識や解釈が、翻訳・検索機能により容易に直接触れられるようになる。原点回帰がすすむイスラム教徒の価値観は、SNSにより極めて早く広範囲に、そして心に深く刺さるものとなり拡散されていく。ヨーロッパでは「同化しない」イスラム教徒たちが、「移住」と「多産」によりイスラム化をすすめる、「静かなるジハード」が進行し問題となっている。突きつけられた現実に、日本はどう対処すべきか!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
65
前著に引き続いて読む。前著でグーテンベルグが聖書を印刷した事を連想したが、本書を読んでその感を深くする。ただ前著が題名通り「論理」中心に記述されていたのに対し、本書は現在のヨーロッパの様子、インドネシアの変化、エジプトの苦闘等、具体的な問題を取り扱っており、そこが一段と面白く読める。ネットで既存の権威の威光が低下するというのは洋の東西を問わなかったが、イスラムでもそれが見られるというのはやっぱり興味深いなあ。巻末にイスラム教徒との付き合い方も載ってお得感あるが、これって突っ込んだ会話するなって事だよなあ。2019/12/02
1959のコールマン
48
☆3。著者は「私は事実を述べているだけ」と主張しているし、似たような議論は「西洋の自死」にも出てくるが、どうなんだろう?このまま私たちは「現状を見てるだけ」なのか?そもそも著者はこのような現状をどのように変えていくべきだ、と思っているのだろうか?はっきり言わないのでとても気になった。終わり頃の「イスラム教徒と共生するために」を読んだが、当たり前の事しか書いておらず、しかも著者の主張が主張なので「この程度で『共生』できるはずないだろ?」と疑問がわく。まさかチョビ髭オヤジと同じ事を言い出さないでしょうね?2020/01/10
ころこ
31
「イスラムは平和の宗教」というイスラム的理想を語るのが左派だとすれば、むしろグローバル化によってイスラム教徒が啓示に触れる機会をつくっているとし、安易な「和解」は禁物だという現実的なイスラム右派というのが著者の立場でしょうか。第7章はイスラムの立場から多様性を否定し、徹底的に現実対応に終始しています。これはあくまでも日本におけるイスラム言説内の話です。しかし影響力や広がりがないかといえば、著者が日本政治の右派と親和性が高いことに考えを廻らさないといけません。それが著者の「2.0」だということだと思います。2021/03/09
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
24
これは宗教観の薄い日本人は特に読んでおくべき1冊だと思います。2019/12/29
0717
18
イスラム教徒にとって、特に前近代において啓典である「コーラン」やハディース(預言者ムハンマドの言行録)に接することは極めて困難で、イスラム法学者からもたらされる知識のみが頼りだったものが、識字率の上昇やインターネットの発達により、一般信徒が直接かつ主体的に神の啓示と向き合えるようになった。それにより信徒が啓示に忠実な「真に正しい」信仰に覚醒し、原理主義化している。多文化共生とか多様性のある社会とか簡単に言うけど、全く違う価値観を持つ人々を受け入れるのは、ある意味命がけの覚悟が必要だと思いました。2021/09/17
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