河出新書<br> イスラム2.0 SNSが変えた1400年の宗教観

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河出新書
イスラム2.0 SNSが変えた1400年の宗教観

  • 著者名:飯山陽【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 河出書房新社(2019/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309631141

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内容説明

ウェブにアップされた『コーラン』「ハディース」。一部の宗教エリートのものだった知識や解釈が、翻訳・検索機能により容易に直接触れられるようになる。原点回帰がすすむイスラム教徒の価値観は、SNSにより極めて早く広範囲に、そして心に深く刺さるものとなり拡散されていく。ヨーロッパでは「同化しない」イスラム教徒たちが、「移住」と「多産」によりイスラム化をすすめる、「静かなるジハード」が進行し問題となっている。突きつけられた現実に、日本はどう対処すべきか!?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばたやん@かみがた

82
前著『イスラム教の論理』は経典や歴史に遡りイスラム教の教義が如何に西洋発の近代主義と相容れないかを見たものでした。本著ではその教義がSNSを通じて一般信徒に普及することによりイスラム法学者が独占してきた神の啓示へのアクセス権が崩壊(「イスラム2.0」)、為に信徒の中に原理主義化して(と言うより真のイスラムに目覚めて)急速に西洋や異教徒に対して不寛容で攻撃的な人々が増えていることに警鐘を鳴らします。例えば、欧米や日本で普通にある女性の一人歩き。厳格なイスラム教徒の男性からは「奴隷女」「売春婦」(1/7)2020/02/08

HANA

65
前著に引き続いて読む。前著でグーテンベルグが聖書を印刷した事を連想したが、本書を読んでその感を深くする。ただ前著が題名通り「論理」中心に記述されていたのに対し、本書は現在のヨーロッパの様子、インドネシアの変化、エジプトの苦闘等、具体的な問題を取り扱っており、そこが一段と面白く読める。ネットで既存の権威の威光が低下するというのは洋の東西を問わなかったが、イスラムでもそれが見られるというのはやっぱり興味深いなあ。巻末にイスラム教徒との付き合い方も載ってお得感あるが、これって突っ込んだ会話するなって事だよなあ。2019/12/02

1959のコールマン

48
☆3。著者は「私は事実を述べているだけ」と主張しているし、似たような議論は「西洋の自死」にも出てくるが、どうなんだろう?このまま私たちは「現状を見てるだけ」なのか?そもそも著者はこのような現状をどのように変えていくべきだ、と思っているのだろうか?はっきり言わないのでとても気になった。終わり頃の「イスラム教徒と共生するために」を読んだが、当たり前の事しか書いておらず、しかも著者の主張が主張なので「この程度で『共生』できるはずないだろ?」と疑問がわく。まさかチョビ髭オヤジと同じ事を言い出さないでしょうね?2020/01/10

jahmatsu

41
たまたまイスラムの方と話す機会があり手にとってみた。ショッキングであり良くも悪くも考えさせられる内容。 自分たちとは全く違う価値観の元、神の啓示に従い行動し生活し、さらにネット普及で原理主義化が加速しテロが正当化されて行く。。人それぞれの意見はあると思うが、これからの為にも、読んでおいて良かった。2020/02/20

ころこ

31
「イスラムは平和の宗教」というイスラム的理想を語るのが左派だとすれば、むしろグローバル化によってイスラム教徒が啓示に触れる機会をつくっているとし、安易な「和解」は禁物だという現実的なイスラム右派というのが著者の立場でしょうか。第7章はイスラムの立場から多様性を否定し、徹底的に現実対応に終始しています。これはあくまでも日本におけるイスラム言説内の話です。しかし影響力や広がりがないかといえば、著者が日本政治の右派と親和性が高いことに考えを廻らさないといけません。それが著者の「2.0」だということだと思います。2021/03/09

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