内容説明
異形とヒトの間を取り持つことを生業としてきた真魚寺家の裔である千歳には、古い付き合いのある小説家がいる。青原灯――着流し姿に整った顔立ちをした青年だ。表向き、灯は千歳の従兄となっているが、それは真っ赤な嘘。灯は従兄でも何でもなく、幼い日に千歳が契約を結んだ怪異なのだ。大学に進学した春、百鬼夜行の噂を聞いた千歳は見に行こうとするけれど……?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
40
昔から続く怪異と関わる真魚寺の家に生まれた千歳。幼い頃に青行灯と契約を交わした彼女が、家業を継いだ兄や彼女を守る青行灯とともに様々な家の怪異にまつわる事件を解決してゆく物語。持ち主の元に帰りたかった本、残されたゲドと小さな子との絆、悩める同級生の決断や、神隠しにあった娘といった悲喜こもごものエピソードを重ねていった先に浮き彫りになる、千歳と青行灯の何とも複雑で特殊な関係があって、育んできた絆を大切に思う(けれどなかなか素直になれない)二人の関係が、もうしばらく続けばいいなと願わずにはいられませんでした。 2019/12/16
ぐっち
23
表紙がすごく好きな雰囲気だし、目次の見出しも可愛いので期待を上げすぎたのか、主人公が女子大生設定なのに言動が幼く感じ、うまく入り込めなかった。女子高生設定だとよかったな。2020/03/15
あいら
13
表紙買い。 代々あやかし関連の相談事を請け負ってきた真魚寺家の娘千歳と、彼女を守る青行灯との物語。 いろんな怪異に出会う一つ一つのエピソードはおもしろかったですが、千歳の言動が幼すぎて少し違和感でした。2021/07/26
HANA
9
異形との間を取り持つ家系の主人公と小説家である怪異との話。いびつな関係ではあるけれど良いコンビではあったような。2020/02/12
胡蝶
7
千歳とあーちゃんの関係がただ契約というだけでなく、種族を超える絆のようなモノを感じほっこりしつつも、それを認めようとしないあーちゃんがもどかしい。そして、不器用ながらも千歳のことも家族達は愛おしく、大事にしているのが伝わる、作品だった。2019/12/10