講談社文庫<br> 触れもせで 向田邦子との二十年

個数:1
紙書籍版価格
¥492
  • 電子書籍
  • Reader

講談社文庫
触れもせで 向田邦子との二十年

  • 著者名:久世光彦【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2019/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062630757

ファイル: /

内容説明

遅刻魔――あんなに約束の時間にいい加減な人も珍しかった。嘘つき――大きな嘘も上手だったが、とりあえずの小細工もうまかった。泥棒――どこを探してもあの人からもらったものなど出てきはしない。奪られてばかりいた。20年のパートナーなればこその知られざる「向田邦子の素顔」をはじめて明かす。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

52
【再読】著者も鬼籍に入られて久しいが、今読み返せばこれは戦友への胸苦しい程のラブレターだ。併せて読みたい読み返したい書名が続々サラリと出てきて嬉しく困る。今回、己の記憶違いが一つ訂正された。向田氏をして「突然あらわれて、ほとんど名人である」と評したのは山口瞳氏ではなく山本夏彦氏。年回りを考えれば納得。2016/09/25

もりくに

47
向田邦子さんの「脚本」を、久世光彦さんが「演出」するドラマが、とても好きだ。この本は、「向田邦子との二十年」と副題されている。二十年も近くに居れば「ひょとして」と下世話な者は考えるが、「触れもせで」。「ただの一度も、どこにも触ったことがない」と。毎晩のように仕事だか遊びだかわからない付き合いをして、泊まったことだってあるのに。彼にとって向田さんは偉い人でもなく、取り立てて優しくしてくれた人でもなく、かと言って嫌な人でもなく、「どこにでもいそうで、どこにもいない、そんな人だった」と。だから、思いきれないと。2020/01/23

nonpono

35
真夏に向田邦子のドラマを毎年、見ていた。ナレーションが黒柳さんで加藤治子がお母さんで娘に田中裕子で相手役が小林薫で。なんて豪華な物語だろうか。終戦の日の熱い太陽について必ず語る。この一冊は久世さんとの出会いの本。向田邦子原作に久世光彦という演出家がいることに気付く。そんな久世さんと向田さんとの懐かしい日々のエッセイである。美しい日本語が堪能出来る一冊。久世光彦という作家の始まりの一冊である。久世さんの新刊を待ち遠しく思えた日々も贅沢なことである。久世さんのよう美しい古くからの日本語を使い残したいと思う。2024/09/04

桜もち 太郎

9
「どこにもいそうで、どこにもいない。そんな人だった」って、やはり久世さんは彼女の事が好きだったのでしょう。ドラマで「トットてれび」をやっているが、向田役のミムラさんの雰囲気がとてもいい。本人の写真と見比べてもミムラさんに負けていない。エッセイではなかなか本音を語らない向田さん。久世さんの前ではどうだったのでしょう。好きな男の前ではどうだったのでしょうか。気になります。2016/05/21

ZEPPELIN

5
向田さんに対して久世さんが恋愛の情を持っていたのかは分からない。きっと、久世さん本人もハッキリとは分からなかったのではないかと思う。向田さんを誉めつつ茶化しつつ、小説やエッセイの裏側も紹介し、安くさい追悼文にならないように工夫されている。もし向田さんの事故がなければ、サブタイトルの二十年はもっと長くなっていただろうと思うと、この文章を書いた時の久世さんの虚しさはどれほどだっただろうか。急にいなくなる向田さんもなかなか罪な女である。そして、読んでいてここまで切なくなる本もなかなかない2014/04/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/494148
  • ご注意事項

最近チェックした商品