内容説明
気がつくと、一日中スマホを見ていませんか? ネットが生活に欠かせない現代。
人間本来の思考力と想像力を取り戻すために「書きことば」の力を今一度信じたい。人生を変える一冊!
電車の中で、乗客全員がスマホを見ている光景は珍しくない。
しかし、ことばがデジタル化への変貌を遂げている今こそ、人間本来の思考力と想像力を取り戻し、
豊かな人間関係を築く為、また孤独に耐える力を培う為に、書きことばの底力を信じよう。
「読み書き」を大切にすることで、人生を根底から変えられる!
解説・山根基世
※この電子書籍は2014年1月に文藝春秋より刊行された単行本『ネットで「つながる」ことの耐えられない軽さ』を改題・加筆修正をした文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
templecity
10
ネット社会により瞬時にコミュニケーションができる一方、誹謗中傷も瞬時に来る。面と向かって会話をする機会が減ってきている。書き言葉である本の効用を説く。ネットで繋がっていると言っても、上手くコミュニケーションが出来なければ、秋葉原や京アニのような殺傷事件が起こる。本によって想像する力も大切である。 2020/01/21
aochama
2
情報伝達は、話し言葉から書き言葉に、そして今やネット言葉へと大変革中であり流れは止められないとします。 しかし、ネットは一見つながりを促進するかに見えるものの、実は幻想に過ぎず書き言葉が持っている効果である自己との対話や考える力を深めることこそ重要という指摘。当を得ています。 情報洪水のなかで、思考力と想像力が失われたかのような社会になってしまった現在、自分で考え、判断できる力をとり戻すためにも、紙文書で読み書きする効用を引き継いでいきたいものです。2021/01/16
tomu23
1
書きことばによる恩恵、意義をあらためて認識できた。読書という孤独な作業、文字を書き留めることで深まる自己との対話が自分にとって救いであるように、この先若い人たちにも書きことばの効能を実感してほしいと願う。2020/10/14
やすかりし
1
ネットにつながらないために勇気なんか必要としない世代ですが、「ことば」についての論考は深く考えさせられるものがあります。著者も歴史の流れを踏まえつつ、時代の流れには抗えないとしながらも、自身は抵抗を続けていくとの由。ここまでの覚悟は持てませんが、新しい「ことば」と今までの「ことば」の違いについては、きちんと考えて使い分け、というよりも読み分けできるようになりたいものです。そしてこの本によって「本を読むことの意義」がとても深まりました。感謝。2020/09/21
Hiro
1
ここ数年の絆ブームに疑問を感じていたので書名に飛びついて読んでみた。一方で、よくあるネット中毒を憂う説教臭い本かもと多少の心配もしながら。で読んでみてとても面白い良書だと思った。示唆に富む指摘満載で付箋もたくさん付けた。読み書きの力を大事にする著者の切実な気持ちが強く伝わってくる。話しことば、書きことば、ネットことばという分類も的確だし、書きことばを通じて時間をかけて自己との対話を重ねることが人間の人格と自立を養うという著者の主張にも深く賛成する。未来の社会と日本語の運命を考えるための必読の本だと思う。2020/07/06