内容説明
微生物学者の坂口がある日発見した新型ウイルス。感染したラットは互いを獰猛にむさぼ
り喰い、死んでいった。後輩に処分を任せたが後日、ウイルスを手に入れたという謎の団
体から首相官邸に犯行予告が届く。人質は、全国民。目的は何なのか? ? 毒舌女刑事・海谷
とウイルスを捜すが、都内では次々と爆破事件が発生し――衝撃連発のサスペンス開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mint☆
112
微生物研究者の坂口が恩師の遺品の中から見つけたのは狂犬病とインフルエンザウイルスを掛け合わせた致死率100%のハイブリッドウイルス。それが盗まれたかもしれない。と、バイオテロが起こるかもしれない緊迫する設定のはずがなんだか緊張感がなくハラハラドキドキがない。読みやすいし内藤先生は好きだけどこちらはあまり好みじゃなかったかな。お米の洗剤の話とケルベロスの活躍が好きです。2023/03/23
aquamarine
89
大学研究室で定年後もポジションを得て働く生物学者坂口。ある日死んだ元同僚が新型ウイルスを残していたことを知ります。どんなウイルスがラットに感染させるととんでもないことに!全て処分をさせたつもりがそのウイルスを撒くという犯行予告が…。手に汗握るサスペンスで息をつかせず一気に読ませます。癖のある女刑事や大学入り口の門番などキャラもたっていて読みやすく、ハードボイルドを読んでいるような部分もあり、とても面白かったです。しかし現実のコロナウイルスのこともあり、人為的にこんなことが起きてはならないと強く思いました。2020/02/11
papako
86
読むかどうか悩んだけど、楽しかった。1時間ちょっとで読めて、ちょっとしたパンデミック映画をみた感じ。今回の主人公は定年した大学教授坂口。いい感じでした。おじいちゃんって感じでなく、うまいなって思います。二階堂や海谷、チャラなど周りのキャラも楽しい。何より大学警備員のケルベロス!続編あるといいのにな。ゾンビウィルスかー。黒岩教授が研究者でよかった。そしてコロナウィルス、どうなるんでしょうね。。。2020/02/28
Bugsy Malone
86
年老いた主人公坂口に対して身につまされる思いを感じる前半部から、ウイルスを巡る攻防へと繋がる後半部へ。身を賭してウイルスから人々を、世界を守ろうとする坂口、それを取り巻く最高に魅力的な逞しい人物達、前半の主人公の設定が後半に至り見事に活きてきて、読了後は次の1歩を踏み出せそうな気になりました。そしていつかは一同が会する事もあるかと思わせる、かすかな他作品との繋がり。いやいや本当に内藤さんは読者を喜ばせる事が上手です。2020/01/08
のりすけ
75
ゾンビモノかと思ったらゾンビ禍が起きるかもしれない前段階の話。ゾンビ禍が起きるのはそこそこの確率で科学者が要らんことをするから…というのが相場。そしてどの科学者も真っ先にKILLされる、あるいは自分には関係ない場所で起きるので皆さんここまで思い悩まれない。そういう意味では人の好さと責任感と科学者の心構えがにじみ出ていて良作。ゾンビガウガウウギャーを期待したら拍子抜け。うわぁ!なのはマウスちゃんだけ。ゾンビに狂犬病はもはやスタンダードなのね。2021/01/30