内容説明
むぐむぐ、むしゃむしゃ、むふふのふ。
「美味しい」って楽しくて嬉しくて、
ちょっと切ない。
大好きな食べ物のことを考えると、私のお腹はきゅるると鳴り、
耳の根っこがきゅうっと痺れ、胸の奥がぎゅっと疼く。
書きたいことは揚げたてのメンチカツの肉汁のごとく、
はたまたもぎたての桃の果汁のように、
次から次へと溢れ出してくるのだった。
女優でモデルの菊池亜希子の子ども時代から母になった現在までの
「食」にまつわるエッセイ集! 著者によるイラストも満載。
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階段裏でこっそり食べたお母さんの大きなおにぎり。中学の時、好きな人と下校途中で食べたあったかい肉まん。校則を破って、恋バナを咲かせながら食べた食堂のカツ丼。「がんばってね」と母からの紙切れが添えられた涙味のカップアイス。モデルだけど、どうしても食べたかったカロリー満載のスティックパン。役者の先輩に連れて行ってもらった居酒屋の衝撃的なハムカツ。修羅場で疲労困憊の時に食べるわたしの「仙豆」。ハロコン帰りのお出汁が心に沁みるうどん。「冷めちゃうから早く!」と寝ぼけまなこの夫を急かす朝食……などなど。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いこ
79
読み友さん(たま ぽんこつさん)のレビューに惹かれて。まず、表紙とエッセイ一編一編についてる、著者のゆるーい感じのイラストに心惹かれる。また文章につけられたタイトル「こそこそおにぎり」「キャピキャピカツ丼」「ザザザーポテチ」などオノマトペが最高!これだけ見ても読む気まんまんになるが、文章がこれらに負けずよかった。著者の「食べ物大好き愛」が全編に渡り溢れている。「そうそう!わかる~!」美味しいもの大好きな私は頁を繰る手を止められなかった。ただ読む時間帯には注意。私は夜中に読んで、朝まで空腹に耐えました。2020/03/29
coco
29
今年の読み納め。菊池亜希子さんの幼少期から現在に至るまでの「食」に対する思い出が綴られたエッセイ。家族との思い出や友人、もう会えない人との思い出などが美味しそうな食べものの表現によって可笑しく切なく描かれていました(´ω`) 2019/12/31
縞子
22
「みちくさ」以来かな?知らないうちに結婚されてお母さんになられていたんですね。とっても大好きなエッセイ。まず、それぞれのお話のタイトルがいい!そして、イラストもかわいい。うまく言えないけれど、文章もすごく心にしみる。家族との話があたたかくて素敵。他の本も読んでみよう!2020/11/08
はるき
13
食に関するエッセイ。甘いのもほろ苦いのもあります。「お母さんが大好きだ」と、サラリと明言できることにキュンとします。2023/01/16
Gaooo
9
著書が醸す雰囲気の通り、ほんわかと親しみを感じる食エッセイ。姉とケンカしたポテトチップス、父に叱られたメロン、母に目撃された肉まん。様々な思い出が食べ物の記憶とつながっている2021/01/01