内容説明
オリンピックに沸く2020年夏の東京。「目に見えざるもの」の怒りを背負った者たちが立ち上がる――ノンストップ近未来長編! ○「20世紀最大の呪いは、原子力の発見とその実用化だった。小林エリカは核に取り憑かれた作家だ、いや、核に取り憑いた巫女だ。その予言は私たちを震え上がらせる」――上野千鶴子氏(社会学者)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
38
見えない匂わない、放射能。その瘴気を「不幸の石」で具現化した小説。“パートカラー”の経血に、昇華点を仰ぐ筆者を見た気がする。◆雑誌【&Premium】で「文房具トラベラー」というコラムを担当しているエリカさん。小説家・漫画家としては“放射能”一辺倒で打ち込んでいる。2019/11/09
horihori【レビューがたまって追っつかない】
23
オリンピックに沸く2020年夏の東京を舞台に、オリンピック。放射能。高齢化社会。の3つを絡めた話。ちょっぴり近未来風なのが、現実味を和らげているけれど、オリンピックに浮かれてる場合じゃなさそうな緊張感がある。2019/12/04
ズー
15
2020東京オリンピックが開催される、デストピア的世界。色んなことが出てきて、支離滅裂感があり、どう話がつながっていくのかと思いつつ、先が気になってどんどん読み進む。たしかに放射能のことは特に解決していないのに、なかったことのように忘れ去られている感じは分かると思った。不思議さ不気味さ非現実的にも感じるものの、結構ほんとだったりして?そのうち石を持ち始める人が出てきたりして?2020/11/23
ruki5894
9
読み終わったところに入れていいものなのか…。とりあえず。2020/05/22
kana0202
2
昔みた展示を思い出しつつ。母性の観点や、オリンピックの観点から原発の歴史を見ているのは新鮮で興味深かった。文庫になったら、買って置いておくかも。小説の形式としても複雑だが面白い。2022/07/22