内容説明
14歳から女流棋士として勝負の世界で生きてきた。4歳の時の交通事故。後遺症との闘い。そして将棋との出会い。20歳を前にして、手紙とともに渡された母の日記を読み、初めて知った愛と絆の深さ。誰にも打ち明けなかった真実の青春を綴った自伝エッセイ。結婚、そして引退に至る胸中を新たに書き下ろしで追加。結婚、引退、母の愛……感動あふれる自伝エッセイ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しーふぉ
19
四歳の時に交通事故で片足切断の恐れもあるほどの大怪我をする。母は自分のせいだと責め続け、父は一人にしないでという和の言葉に一晩中、許される一番近い場所で立ち続ける。 両親の想いに感動します。 アイドル棋士としての役割に嫌な思いをしていた和に後の旦那さん大崎善生の「そんなの言わせておけばいいじゃん」の一言に救われる。女流棋士としてだけではなく、一人の女性の生き方として、将棋に興味あるなしに関わらず読むことが出来る一冊です。2016/02/15
ふるふる
5
高橋和さんのことを知ったのは彼女の夫である大崎善生さんの『優しい子よ』を読んだとき。その後も和さんご本人には興味はなくたまたま兄がこの本を買ってきたので手にしてみたという次第。そんなわけで、ご本人の生い立ちより先に大崎さんとの出会いのくだりを読んでしまう始末(笑) ご本人は幼少の頃に交通事故で大けがをしたり、プロ棋士となってから自律神経失調症に悩んだりと波乱万丈の人生を送られたとのこと。文庫本あとがきに『優しい子よ』で描かれていた少年のことが彼女の言葉で語られていたのがよかった。2015/11/07
gurisan
3
★★☆☆☆ 大崎さんの本を読んで、知ったんだよね~、この人。まっすぐな人ですね。2010/09/04
釘宮笙
2
将棋マンガに出てくる女流棋士の実際を知りたくて手に取った。幼児の頃の交通事故の話と家族、特に母親の日記が印象的。マンガで出てきた「女流はカワイければいい将棋コンパニオン」という言葉につながる状況が女流を苦しめているのかと思い当たることが多い。作家・大崎善生との年の差婚で幸せをつかんだのか?その後が気になる。2021/05/27
ハット
2
高橋和先生はテレビなどで拝見したことはあるが、棋士であるということを知ったのは、失礼ながらここ五、六年ぐらいのことである。というのも、自分が将棋界に興味を持ち始めたころにはすでに第一線から引退されていたからだ。 今回、高橋先生の過去を知って非常に驚いた。巻末に書かれたファンクラブ会長氏の文章中にもある通り、真の「明るさ」を得ることができた要因の一つになっているのであろう、波乱万丈の過去。 明るく生きることの尊さを、改めて感じた。2014/05/18