内容説明
日本一の超劇団『パンドラ』の入団試験を乗り越えた青年・数多一人。しかし、夢見たその劇団は、ある一人の女性によって《壊滅》した。
彼女は言った。
「映画に出ませんか?」と。
言われるがまま数多は、彼女と二人きりでの創作をスタートする。
彼女が創る映画とは。
そして彼女が、その先に見出そうとするものとは……。
『創作』の限界と「その先」に迫る野崎まど新装版シリーズ・最終章!!
『2』が、全てを司る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
65
やられた。『アムリタ(映)』から続く一連のシリーズの集大成。その為シリーズを読んでいるか否かで印象はガラリと変わると思う。読んでいる最中は、よくあるこの世のものならぬ概念を作る話かあ。この手の話の弱点はそのものを語れない所だなあ。と全体の90%までは予定調和的な終わりも含めて呑気に読み進めていたのですが…。残りの10%で完全にやられました。今までのシリーズの内容に含まれていた伏線に次ぐ伏線回収、どんでん返しに次ぐどんでん返しで完全にこちらはノックアウト。未読の方はシリーズの最後に読むのを絶対お勧めします。2023/08/25
オフィーリア
52
これはとんでもないものを読んでしまった...。“創作とは何か”只管に子のテーマを突き詰めた一作。なバラエティ豊かなこれまでのシリーズ過去五作全てが今作の為に積み上げられていたという構成が凄まじい。シリーズを読んできたからこそ味わえる創作の到達点。いやもう最高です。2024/05/13
Shun
25
シリーズ完結のこの「2」という作品は、ここまで読んできたシリーズ総集編に相応しいボリューム。これまで登場したほとんどの主要人物が随所に再登場し本作の主人公にあたる青年・数多一人を創作の極致へと導く。シリーズ始まりの1巻「[映]アムリタ」では映画製作を通じて”創作”というものの可能性が示され、この巻で終にその到達点が見えてきます。これまで各巻の話は別個に存在していたようなものですが、それも全てこの「2」のための伏線だったと思えば欠かさず読んだ甲斐はありました。そして今後さらに凄い作品を期待したい作家です。2020/08/13
moto
17
いやー、面白かった!これまでの作品のキャラクターが要所要所で出てきて、全ての物語につながりが見えてくる展開は最高ですね。驚きの展開で最後まで存分に楽しめました。アムリタをはじめシリーズ全ての作品が好きだったので、もっと続きが見てみたいという名残おしさもあります。このシリーズで野崎まどさんが好きになったので、他のシリーズも読んでみたい!2019/12/15
きたさん
16
デビューから現在に至るまでずっと、この人が書き続けていることはこういうことなのだろうな、と思わされる一冊。頭と身体と心とで納得させられました。『2 』というタイトルの意味もその先も、理解できると感慨深い。最後の最後まで油断ならない大作でした。2019/12/11