内容説明
カウンセラーとして長年にわたり、アルコール依存症、摂食障害、ドメスティックバイオレンス、アダルトチルドレン、児童虐待などの問題に取り組んできた著者が、「傷つく」という言葉をキーワードに、家族、友人、職場などの、さまざまな人間関係にひそむ問題と、その対処法を探る。
目次
はじめに
序章
第1章 傷つくと人はどうなるのか
第2章 なぜ人を傷つけるのか
第3章 家庭という密室
第4章 家族愛という幻想
第5章 自信を持ってたくましく生きるために
第6章 新しい強さを求めて
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
73
フェミニズム目線の信田節の心理学の切れ味は洗練されていまだ健在の一冊。傷ついたり傷つけられたりすることは生きている中では避けられない、その上で傷についてとことん向き合い考え「手軽な答え」で解決することなく様々な本に触れ哲学に触れ自分なりの考えにリメイクし昇華させていくことを推奨している。大切なことは「傷ついた」ことを認め、そこから抜け出すために、他者とつながりを活用することです。2013/11/01
壱萬弐仟縁
40
傷つける人の特徴(60頁~)。傷つけることで得られる快感。傷つけた本人は、相手を傷つけたということをあまり自覚していない。更に調子に乗る場合もあるほどだ。支配の快楽(61頁)であって、加害の快楽。パワハラ、いじめ、虐待、DVが例示される。対人センサーはほとんど働かないのに、対自センサーだけは、ひどく敏感(62頁)とも。Mの人は傷つく事を望み、Sの人は傷つける事を望んでいるとも思われる。2015/12/17
ヒデミン@もも
31
信田さよ子さんの本は多数読んできた。その総まとめのような内容。娘の気持ちで母に対する不満を解消させてもらっていたのが、いつの間にか自分自身が娘を持つ親となり、苦しい子育ての中でたくさんのヒントや励ましをもらった。 2013/09/11
カッパ
30
【176】383【◯】今回の本で新しく学んだのは自己評価についてです。自己評価して自分を自分で褒めるっていうのが良いと思ってました。でも、それは自家発電であり他者や社会を切り離している。本当にそうだなと思いました。私は生きにくくて泣きたい時もありますが悩んでこの本も読んだのです。それでも傷ついた時は逃げてみようと思います。2017/05/08
はるわか
30
大切なことは、ある行為を受ける側の受け止め方を重要視すること。眠っている間の記憶の処理。トラウマ、解離、健忘。記憶がもたらす苦悩、フラッシュバック。常識は傷ついた人の味方をしてくれない。過去は水に流せない。こわがってもいい。お互いさまではない。自己評価の低さは考え方のくせ。男の嫉妬はこわい。子供に自分のつらさを話さない、子供は母親が話すすべてを受け入れてしまい母親のつらさを感じてしまうから。DVする側に屈辱感とおびえ。「ふつうの家族」とは。所有意識イコール暴力的。家族の問題は自覚しにくい。母親という重圧。2017/02/26