内容説明
段ボール箱をカッターで一心不乱に切り刻んだかと思えば、組み立て式の棚は完成できぬまま放置。「食べログ」低評価店の惨状に驚愕しつつ、歯医者の予約はことごとく忘れ、野球場で予想外のアクシデントに遭遇する……事件が起きないはずの「ありふれた人生」に何かが起こる、人気エッセイがついに単行本化! 自筆イラストも満載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kou
360
面白かった。何気ない日常も見方によっては、こんなに面白くなるのか!と驚かされた。今後も、エッセイや小説を書かれた際は、是非とも読んでみたいと思った。2019/11/26
きみたけ
337
著者は人気お笑いコンビハライチの岩井勇気。この本は、小説新潮の2018年7月号から2019年7月号とBookBangの2018年9月から2019年8月の掲載内容に一部書き下ろしを加えたデビューエッセイ。オードリー若林の「ナナメの夕暮れ」を読んだ時も感じたことですが、いわゆる「じゃない方芸人」の知られざる内面や考え方、芸人としての在り方や矜持などがとても興味深かったです。意外と美術館好きで、現代アートの絵を見て新しいネタのアイデアが浮かんでくるそうです。組立式の棚、九蓮宝燈、「澤部と僕と」が面白かった。2022/05/29
こーた
297
タイトルが良い。営業先のショッピングモールで、友人と立ち寄ったレストランで、ひとり暮らしをするメゾネットタイプのマンションで。わたしたちとおなじような生活をおくりながら、冷ややかにちがう世界を見ている。その才気と狂気に充ちた目で、すぐそばにぽっかりと開いた異界の扉を覗きこむ。棚はいっこうに作れず、珪藻土と自然薯を闘わせ、あんかけラーメンの汁を飲みながら、パーティで毒づき、相方にブラックホールを見る。何も事件が起きない日常を、独自の視点でおもしろ可笑しく綴る。大いなる才能といえよう。⇒2019/11/04
nobby
267
えーと、これから僕は「岩井さん、いいよね!」と声を上げて公言します!『僕の人生には事件が起きない』本人のイメージまんまのタイトルにもうニヤリ♬確かに特別ではなく何気ない日常を描きながら、クスッと笑わせるセンスは素晴らしい!“陽”な澤部と真逆な岩井さん、いや絶対に“陰”じゃないでしょ!?(笑)ムカッと来てから攻撃に転じる姿勢は笑えながらも怖い…個人的には、あんかけラーメン汁・リアル脱出ゲーム・段ボール刻みなエピソードが大好き。最後の澤部論は思わず納得!そりゃ岩井さん、今のバラエティ番組からはみ出しちゃうよ…2021/04/17
ちくわ
251
ハライチ、ミルクボーイ、ウエストランド…私見だが、面白い独自の『型』でブレークした3組だと思う。そのハライチのボケ&ネタ担当である岩井の著書を読んでみた。感想…彼が漫才のネタやコントの設定なんかを、こんな感じで日頃考えてるのかな?と。誰かの話だが、お笑い=緩急、お笑い=ギャップそのままに、普通なら良さげな物事に悪態を吐いたり、多くが見向きもしない些細な事にキラリと光る種を見出す…なるほどなー! 余談…岩井と言えばドリームマッチの醤油の魔人かな?アレ結構面白かったのに、優勝出来なかったのも岩井らしい(笑)。2025/06/19