内容説明
国が推進する電子マネー。企業が覇権争いを繰り広げるキャッシュレスサービス。近年世間を騒がせた仮想通貨。浸透し始めたブロックチェーン。2019年、フィンテックという言葉のもとに、あらゆる場面の根幹にある「お金」のあり方が変わり始めた。インターネットと社会の関係を長年研究してきた著者は、この先「貨幣経済が衰退する可能性は高く、その未来にニューエコノミーが立ち上がる」と主張する。そこでは従来の貨幣文化のみならず、人類が構築してきた専門性や労働、さらに国家までも解体される対象になりうるという。お金が消えるのと同時に消滅する職業や学問とは? 「お金」が消滅した先でも変わらず価値を持つものとは? その先で私たちは何を歓びに生きるのか? この本を手に、混沌たる世界を進め!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mazda
12
エネルギーと食料が労せずに手に入れられるようになったら、お金を稼ぐインセンティブが働かなくなるかも知れません。そうなったら、そもそもお金という概念がなくなってしまう、そういう将来を私たちはどう想像できるのでしょうか?お金は物々交換を楽にするためのツールですが、みんながすべてのことを自分でできるのなら交換という概念も不要です。しかし、現実には専門性をもって生きているがゆえに、お金を通じた交換が必要になります。もしもお金のない世界が生まれるとするなら、大昔のように力がものをいう世界になるのでしょうか?2020/03/20
えすてい
11
貨幣経済から評価経済に移行するとなると、食料生産はどうなるのか。70億人をすでに超えている世界人口、この食料を満たすには、トラクターも肥料も農薬も必需品である。畜産も漁業も大規模な設備投資をしなければ何も確保できない。兼業農家も借金まみれ。この本では食料生産に関して一言も言及がない。オーガニック家庭菜園の延長線上でのシェアでは生きていくのに必要な食料を生産・確保できないのは必定、食料を輸入に依存してる日本では国民大多数が餓死する。そもそも貨幣を使わない評価経済の下では日本も世界も人口は多すぎるのだろうか。2020/01/20
佐藤一臣
7
デジタル技術を駆使した狩猟採集社会を目指すのには同意だ。だが、意図的にそれを選ばない限り実現しないというのも同意だ。社会的連帯経済が近い思想だろう。エネルギーと食糧が無料になるかがカギだそうだ。地下資源の削り取り、特に石油の採掘コストが限界にくるらしい。テトラッド分析は面白い。この分析によって、新しい狩猟採集社会を予言している。結果として、賃金労働は自己実現労働へと変化する。著者はベーシックインカムを否定しているが、自由貨幣としてのデジタル通貨が生まれつつあるので、過渡期におけるBIが来ると私は思うけどね2024/04/20
こじ
6
5/5 あなたはお金のない世界を想像したことがありますか? もしも、食べ物や教育費などが無料になったならお金は不要になると考えられます。 今後ロボットが野菜を作る時代が来たとしたら、野菜を作る労力がかからないので食事が無料となります。さらに、そのロボットが壊れた時の修理もロボットが行うため、無料です。このように全ての労働をロボットが取って代わった時、全ての労働がなくなるため、お金が無料ということが可能となります。 しかし、どんな時でも法律などを作るのは人間です。そのことだけは忘れないでください。2020/03/02
sho watabe
5
極論すると食糧とエネルギーが無料になれば、お金はいらなくなる。 資本主義経済はそろそろ限界に来ている。 そう考えるとお金のない世界、お金を必要としない世界を考えていく必要はあるかもしれない。 ただそうなった時に人間はどうなるのだろうか? 全員が自己実現に向える環境にはなる。 ただ人間は楽な方に流れる生き物。 ごく一部の人以外は堕落してしまう気がする。 それでも人間が長期的に生き延びられるならば、それも正解かもしれない。2020/03/19
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