出版社内容情報
30代になったキャンディが回想する
切なくも愛おしい日々ーーー
私が求めているのは、ほんのささやかなこと
愛する“あのひと”と生きていくことーー
「おかえりなさい!」
私はこの言葉が言える幸せに声をつまらせながら
椅子から立ち上がると、
あのひとが広げた腕の中に飛びこんでいった。
内容説明
30代になったキャンディが回想する切なくも愛おしい日々。わたしが求めているのは、ほんのささやかなこと。愛する“あのひと”と生きていくこと―。
著者等紹介
名木田恵子[ナギタケイコ]
東京都生まれ。作家。文化学院文科卒業。『レネット金色の林檎』(金の星社刊)で第31回日本児童文芸家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
86
懐かしかったし、新たに思うこともあったし、とてもとても良かった。私はキャンディ・キャンディは原作の良さで惹かれていたと思う。思っていても結ばれないことがあること。恨むよりも一歩前に踏み出すことの尊さ。いろんなことをこの物語から教えられた中学生の私と再会した。そしてそれを上書きするこの本。人の縁は、真の意味で切れるということがない。この歳になった私が、キャンディと一緒に「そうなんだよね〜」と会話をしたような読書となった。2022/05/15
やも
57
人は生きている限り、別れは必ず来るね。思い出を忘れないこと、けれど前に進まなくては生きていけないこと。往復書簡形式で綴られる思いやりと時の流れが切ない。そしてついに明かされるウィリアム大おじさまと丘の上の王子さまの正体!どちらも予想してない展開でドッキドキ♡最後の「あの人」が誰なのか、想像するのも楽しい終わり方だった✨「曲がり角を曲がった所には何が待っているか分からない」1人の少女が運命に翻弄されつつも逞しく生きていく。感謝を忘れないその美しい生き様に何度も目が潤んだよ😢✨ありがとう、キャンディ。★52021/11/05
ごみごみ
54
キャンディ・キャンディ!なんて懐かしい!小学生の頃、夕方の時間帯に再放送されていたTVアニメに夢中になった。中学生になり、クラスメイトのお姉さんがコミック全巻持っていると聞き、頼み込んで貸してもらった。主題歌、エンディングの曲だってもちろん歌える♪たくさんの出会いと別れの中で、差別や偏見にも負けず、感謝の心を忘れず、自分を信じて夢に向かって歩いていくキャンディ。この作品を読みながら、漫画やアニメの様々なシーンを鮮明に思い出し、怒って泣いて思いっきり笑顔になれた。「あのひと」とずっと幸せにね、キャンディ!2023/10/04
よこたん
43
忘れたままでいた懐かしい箱を開けて、中身をひとつひとつ並べて思い出にふける。クラスの友達と回し読みした漫画であり、毎週楽しみに観たアニメであった。あんなに夢中だったのに、結末はふんわりとしか記憶がなかった。原作者と漫画家の間のもめ事があったことも詳しくは知らなかった。作者たちが書きたいように書くならば、読者は読みたいように想像を膨らませて、それぞれの思いで読んでもいいのだと思った。下巻は手紙のやり取りで進行する場面が多く、なんだか『あしながおじさん』が頭の中で重なってしまった。やっぱり漫画が読みたい。 2022/05/10
エンブレムT
43
下巻は、キャンディの回想に加え手紙形式で物語を追う形になっています。その中では、出すことすら叶わないステア宛の手紙が心に残りました。手紙のやりとりを通して皆の心情が伝わってくるし、本編にない追加情報もあって楽しめましたが、物語としては駆け足感が強く物足りないです。コミック版も改めて読みたいなぁ・・・って思いながら読了しました。あとがきの記述が「?」で、少し調べたのですが・・・『キャンディ・キャンディ』の愛蔵版や復刻版は出ることがなさそうですね・・・。大人の事情とはいえ、残念でなりません・・・。2011/01/29