中公新書<br> 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで

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中公新書
保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで

  • 著者名:宇野重規【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 中央公論新社(2019/11発売)
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  • ISBN:9784121023780

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内容説明

21世紀以降、保守主義者を自称する人が増えている。フランス革命による急激な進歩主義への違和感から、エドマンド・バークに端を発した保守主義は、今では新自由主義、伝統主義、復古主義など多くのイズムを包み、都合よく使われている感がある。本書は、18世紀から現代日本に至るまでの軌跡を辿り、思想的・歴史的に保守主義を明らかにする。さらには、驕りや迷走が見られる今、再定義を行い、そのあり方を問い直す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

142
バークが、《過去に範を求めず未来へ跳躍》しようとしたフランス革命を自己蔑視と呼び、宗教を含めた《偏見や習慣》に理性を補う働きを見出した…という辺りに保守主義の原点を見ている。一方、新大陸に渡った人々の家族的信念と宗教心からなるアメリカの「伝統主義」が顕在化した20世紀後半には、大きな政府への不信から、市場化を求めるリバタリアニズムが起こる。さらに反共のユダヤ系知識人を中核とし、積極的な対外政策を求めるネオコンが参入することによって、新しい保守主義が形成されていった、と。この言葉の複雑さはいかにも現代的だ。2019/11/07

KAZOO

140
これだけの新書で保守主義を概観するのは難しいと思われます。反フランス革命というところから書き起こしていて、日本の保守主義の福田恆存や丸山眞男を引き合いに出して論じておられます。アメリカのリバタリアニズムを論じているのは面白いと思いました私も昔から少しかじったことがあるので。ハイエクもいいのですが、ヒトラーに影響を与えたカール・シュミットについても触れてほしい気がしました。2016/12/02

1959のコールマン

80
☆5。一言でいえば名著。タイトル通り。人から「保守主義とは何か」と訊かれたら黙ってこの本を出す。バランスもとれていてちょうど良い。一番面白かったのは保守主義の父とされているエドマンド・バーグの項目。国王との衝突を避けなかったり、アメリカ独立を容認したり、東インド会社の不正を糾弾したりと、意外に行動的なのには驚いた。他にはT・S・エリオット、G・K・チェスタトン、フリードリヒ・ハイエク(本人は「自分は保守主義者じゃなく自由主義者だ」といってるけど)、マイケル・オークショットあたりが興味深かった。2020/10/21

かわうそ

80
★★★★★傑作。近代保守思想の父エドマンドバーグは『リベラル保守宣言』で取り上げられており知っていたが、改めて現代のいわゆる保守論壇と言われる人たちは実は保守ではないという結論に至った。保守とはいわば相対的にしか存在しない。あくまでも理想主義という急進的な思想に反対するときに既存の伝統を保守するために現れるのである。保守主義は国民の自由が担保されているのが前提である。よって戦争と革命は保守にとって最も忌避しなければいけないものである。なぜなら戦争と革命は伝統を破壊し、自由を奪う最悪な事態であるからだ。2016/09/20

harass

59
保守主義と思想の歴史についての新書。保守主義の祖であるバークの来歴と当時の状況の解説や近年の思想家オークショットなど。また米国の保守主義リバタリアニズムやネオコンなど。それでは日本の保守主義はと論が進む。個人的にネットの断片的な知識を修正補完できて興味深かった。なによりも保守主義は自覚的な近代理念思想であるとありなるほどと。また英国の保守主義で指摘があるチェスタートンやエリオットを読みたくなった。積ん読はしているのだが。日本については保守すべき『伝統』が無いことの問題を挙げている。古き良き新書らしい新書。2016/09/17

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