内容説明
ドラマ・アニメ化された『すべてがFになる』や、押井守監督によって映画化された『スカイ・クロラ』を生み出した人気作家による、創造的な仕事術&知的生産のヒント!
最近では「一日に一時間しか作家の仕事をしていない(実際には四十五分)」けれど、これまでの作家生活で350冊以上を執筆し、総収入は20億円を超えています。
シンプルな文体や洗練されたロジックが物語を彩るその作風からも、整った環境で淡々と作品を生み出しているイメージがある著者ですが、実は「書斎も工作室も、主な活動場所は散らかり放題」だといいます。
しかしその一方で、「メモは取らない」「ほとんどのデータは保存しない」などの一見ミニマリストのような習慣もあるそうです。
その独自の整理術の根幹にあるのは“ものを整理するのではなく、自分自身を整理する”という考え方。
本書は、そんな著者による「環境の整理・整頓」と「散らかった自己の整理・整頓」をめぐる知的エッセイです。
・片づけ、整理整頓が苦手で、家や会社で肩身の狭いを思いをしている
・片づけなくても自分は何も困らないのに、親やパートナー・上司などから注意される
といった、整理の必要に迫られている人や、
・30代以上、中堅・ベテランといわれる歳になって、さらに成長したい
・頭打ち感を抱いていて、それを打ち破りたい
など、整理を手がかりにして目指す自分になりたい人に、おすすめの一冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゼロ
112
アンチ整理術という表題から、整理することを批判的に捉えているように思えますが、著者は整理できないと語っています。冒頭でも天の邪鬼の性格と書いてあり、独自の観点で整理できないことを語っています。まず、整理をできる人間はクリエイティブではない。次に整理しなくても、仕事はできる。そして、整理をするのなら物ではなく、人間関係であると言い切っています。余計な柵から解放されることが大事なのでは?と書いてあります。参考にならない人が多いかとは思いますが、ハッとさせられる考え方もあります。今回は読みやすかったです。2019/11/23
鱒子
71
図書館本 冒頭の一文が「森博嗣は天邪鬼である」……うん、知ってる(笑 身の回りの整理、感情の整理、情報の整理、才能の整理。著者の首尾一貫した、ブレない主張が好きです。人の目を気にしてしまうわたしには、たまに森さんの本が必要になるのです。2021/12/15
よっち
47
シンプルな文体や洗練されたロジックが物語を彩る作風でも、実は主な活動場所は散らかり放題だという著者が整理術に関して自分の見解を語った一冊。「メモは取らない」「ほとんどのデータは保存しない」という著者は、ものを整理することそのものよりも、自分自身の頭の中を整理することの方が重要だと考えていて、結果に効率が伴わない整理など意味がないと語る著者がそこから仕事論まで展開していましたけど、確かにそうだよなと思える部分もあったりで、整理整頓することの意味/させることの意味を考えるきっかけをもらったような気がしました。2019/12/04
薦渕雅春
40
「すべてが F になる」のテレビドラマ化がキッカケとなって、著者の作品を読むこととなったが、今まで何冊読んだだろう? 小説は難解で読み応えがあるが面白い。こんなストーリー 、トリックをよく考え出すなぁ と感心するばかり。ところが最近、新書やビジネス本っぽい著書を数多く出している。著者の才能の凄さ、守備範囲の広さに感服する。最近読んだのは『なにものにもこだわらない』だったと思うが、本著と共に自然体で生きている著者の考え方、生き方が滲み出ている気がする。まえがき、と最終章・第8章と、あとがき だけでも面白い。2020/03/05
Syo
36
森博嗣。 ヒロシです。 『すべてがFになる』に 魅了されて以来、 一時期、たくさん読んだけど、 中途半端な終わり方に モヤモヤっとして いつの間にか 読まなくなったけど。 この本。 まえがきを読むだけで もうだいたい分かってしまった 感じ。 そう、コイツは(失礼) 天の邪鬼なのだ。 内容も共感できる部分が 多かった気がする。 片づけなくて、いいのね。 断捨離も。 やるのもやらないのも。 本やCDの整理術が 少しでも書いてあれば って少しだけ期待してたけど。 ないよね。2020/01/18