内容説明
人が求めるサービスがあれば、そこには必ずプロフェッショナルがいる。ロールスロイスを売りさばく辣腕営業マンから、接客の真髄をみせる伝説のゲイバーのママ、そして、あのオードリー・ヘップバーンをも虜にした靴磨きまで、技を極めた達人たち。名もなき“職人”である彼らの姿を追いながら、本物のサービスとは何か、サービスの極意とは何か、に迫った九つのノンフィクション。(解説・酒井順子)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ@no book, no life.
72
野地氏の見抜く目は愛に満ちているな、というのが9人の達人の人生語りを読了してまず思ったのである。天丼の章の末尾で食べに来た夫婦が天丼を掻き込む場面がある。野地氏はそれを、湯気の出る愛情を一刻も早く胃の中に入れるものだ…と表す。そして実にいろいろな仕事があるものである。どちらかと消えゆくものが多い気はするのだが。故に表す刹那・寂寥感と愛もあるだろう。野地氏自身はあとがきで庶民が主人公であるところが良く、こんな人生もいいなと思えるところが良かったと自ら評する。収められている9つの仕事人生は所謂演歌なのである。2019/12/15
MI
64
野地さんが、それぞれの分野のすごい人を取り上げた本。ロールスロイスを売り続ける男がとてもよかった。今売れる人ではなく、その方に応じて接客をする姿勢、今ではなく未来のお客様を見据えた接客がよかった。野地さんはインタビューされる人への愛情が文章から感じられた。深みのある文章は読んでいてとても心地よい。2025/11/01
TANGO
38
昔は良かった、という老人の懐古趣味のようにも思えるところもあるが、それぞれがそれぞれの仕事に誇りと愛情をもっているのを読むと、そんな仕事に出会えた彼らを羨ましいと思うし、単純に凄いと感心した。サービスとは何か、を読み解くのではなく、それぞれの職人の生きざまから学ぶ1冊。2016/04/25
なぎかぜ♂
26
サービスの達人と言うより、“サービスの職人”。サービス業に特化して尖った職人たち…って言うイメージの方が、自分は合ってるかなぁって。いろいろなサービス業のいろいろな達人たち、その達人たちの仕事ぶりや歴史を紐解いていくお話に、ただただ感心しながら読み進めていきました。2014/09/02
ごへいもち
14
表紙の雰囲気とはちょっと違ってあまり上質とは感じられなかったが靴磨きの項はすごいなぁと思った。2012/09/22




