講談社学術文庫<br> 説苑

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講談社学術文庫
説苑

  • 著者名:劉向【著】/池田秀三【著・訳】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 講談社(2019/11発売)
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  • ISBN:9784065179178

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内容説明

「説苑(ぜいえん)」は、中国上代~前漢中期までの故事説話集。前漢の大儒・劉向(りゅうきょう)の編纂になり、皇帝の教育用の書として作られた。先行する書物をもとにして大幅に増補、内容別に整理して各編に序文が付けられている。編者は説話を通して自己の政治的主張を述べようとしたと考えられる。「君道」「臣術」「建本」「立節」「貴徳」「復恩」「善説」「権謀」「至公」「弁物」「修文」など全部で二〇篇からなり、一つ一つの説話は他書と一致するものが多く、諸子百家すべての系統の話が含まれている。そこで説かれている思想内容の基調をなすのは「尊賢論」と「節倹論」であるが、その根底には儒家思想が流れている。収録されている具体的な説話は「君子は争わず」「民に利あり」「陰徳あるものは陽報あり」「虻蜂とらず」「存亡禍福はみな身から出づ」「人の心は金次第」など、人口に膾炙したものも多く、普遍的な知としての有用性は現代人にも大いに役に立つものとなっている。

目次

第一篇  君道(君主のあり方)
第二篇  臣術(臣下の責務)
第三篇  建本(土台をしっかり)
第四篇  立節(節操を重んじる)
第五節  貴徳(恩徳を第一とせよ)
第六篇  復恩(恩義に報いる)
第七篇  政理(為政の道理)
第八篇  尊賢(賢者を尊ぶ)
第九篇  正諫(君主の正しい諫め方)
第十篇  敬慎(身を慎め)
第十一篇 善説(巧みな弁論)
第十二篇 奉使(使者の心得)
第十三篇 権謀(時宜に応じたはかりごと)
第十四篇 至公(最高の公平)
第十五篇 指武(武力について)
第十六篇 談叢(話のタネ帳)
第十七篇 雑言(よもやま話)
第十八篇 弁物(怪異の弁証)
第十九篇 修文(礼楽の振興)
第二十篇 反質(質朴に反れ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅてふぁん

39
劉向撰・編、前漢中期までの故事説話集。『人の心は金しだい』『後悔先に立たず』など有名な故事成語の宝庫。歴史事実とは異なる話や他書の記述とは矛盾する話もあるとのこと。いつかそれらの違いを比較できたら面白いだろうな。この作品に頻出する‘晏子’がどんな人物なのかとても気になる。中国古典を読んでいると日本の古典に出てくるフレーズに出会うことが多々あって、清少納言や紫式部などの平安貴族たちと同じものを読んでる気分になって嬉しい。2020/06/13

ひよピパパ

4
前漢の劉向の編になる『説苑』の訳注本。全編に対する訳注ではないが、各編の特色を典型的に示すものが選ばれており、この一冊で『説苑』のエッセンスが堪能できるようになっている。儒家思想がベースになっているが、雑家的で諸子百家全ての系統の話が収録されているのが特徴で、これは道家的だ!これは法家的だ!と考えながら読めて楽しかった。斉の宰相である晏子のエピソードが面白い。オススメ。2020/04/20

猫またぎ

2
いつかの漢文音読用に。2023/11/03

山崎 邦規

1
説苑は別の本で読んだことがあって、非常に好んでいたが、本書でもその魅力が遺憾なく発揮されていた。出来事を記述し、それを儒教の経典で根拠づける論法が多いが、全体として論じている趣旨が痛快である。どこがポイントで、こうやって快いのか、分析はできていないが、この思想集団における基本路線が私には非常に刺さる点は確実である。大言壮語して微細なところを一顧もしないというと、反発は必定だが、そうした戒めを銘記しつつも、本書のような大きな論説は愉快なることこの上ない。2023/08/07

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