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内容説明
「ブランド地名」の拡大、「忌避される地名」の消滅、市町村合併での「ひらがな・カタカナ地名」の急増。安易な地名変更で土地の歴史的重層性が失われている。地名の成立と変貌を追い、あるべき姿を考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
125
著者は地図趣味が高じてその道の専門家に。博識には驚くばかり。各地の地名、駅名などの由来や問題点について語る。自分も子供時分、地図帳を拡げ地名を知り空想を拡げるのが楽しかったが、平成の大合併以来、あまりの変わりように賞味期限切れの脳味噌では、ついていけない。それにつけても、歴史的地名を安易に捨て去る住居表示変更や合併後の情けない新市名など、どうにかならんかと常々苦々しく思う。例えば西東京市とか、東南西北中を頭に付けて痲雀じゃあるまいし…。その中にあって、金沢市の主計町の復活など喜ばしい。後続の出現を期待。2020/08/15
へくとぱすかる
82
東・西などを冠して同一の地名でまとめられると、歴史的に由緒ある地名も失われ、また人名と同様、地名にもキラキラネームが増えている。豊富な例を挙げた本書のタイトルは、まさに「地名崩壊」と本質をつく。利害を考えすぎて、新地名が「三方一両損」みたいになった例も枚挙にいとまがない。また字面だけで災害地名と決めつけたがる風潮にも、著者は警鐘を鳴らす。歴史をふまえ最新の現在に通じる地名論。2019/11/11
パトラッシュ
62
子供の頃、転居先で2度も地名変更に遭遇し、住んでいた町の名が突然変わると告げられ困惑した記憶がある。実は今の住所も相当奇妙な呼び方なので、近い将来に改名沙汰が起きるだろう。多くの人間の思惑が入り乱れた果てに親しまれてきた地名が消滅したり、合併や法律など政治的事情で地名が変えられてきた事実をつぶさに明らかにする。どれだけ歴史的な由緒や事情があろうと、そこまで考えず自分たちの現状に都合がいいものを最優先するという人間の短慮を思い知らされた。自治体や政治家が地名の大量虐殺を反省し、一刻も早い復活に動くよう望む。2020/09/16
hatayan
47
カタカナや流行の言葉を多用した「キラキラ地名」は、その時代に生きる人の感覚に主眼を置いたものに過ぎず、世代を超えて陳腐化に耐えることは難しい。東日本大震災後に注目を浴びた「災害が起きやすい地名」は必ずしも実態に見合ったものではなく鵜呑みは危険。 明治以来の市町村合併では互いの面子に配慮して複数の地名が合成され、歴史的な地名は漂白されて成り立ちを遡ることは困難に。一方で金沢市のように旧町名が復活する事例も。土地の風景や景観を大切にするのと同じように、地名を大切にすることが常識になる日を著者は切望します。2019/12/14
きいち
43
著者の地名に関する本は何冊か読んだことがある。地元の地名が失われようとすることに抵抗し、敗れた記録も。だからこのタイトルを見て、その動きは変わらないのかと思いながら読み進めた。確かに、ゲートウェイはじめ、地名の崩壊は続いている。でも、最終盤、雰囲気が変わる。金沢はじめいくつかの都市で起こっている地名復活(そうだったんだ!)。コミュニティが力を取り戻している、いやひょっとすると新しく力を持った地域が実現している希望。空気は変えられるのだ、確かに。大勢とは異なっていても、だからこそ。2020/01/19
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