内容説明
香港の大規模デモの背景には、中国共産党政権が怒濤のごとく展開した「大外宣」=「大プロパガンダ」戦略があった!
中共はメディアを通じて香港世論を誘導しようとして、強引に香港メディアに干渉した結果、報道の自由は瀕死となり、市民の既存メディア離れを引き起こした。メディアが正確に世論を反映し、それが政治を動かすという健全な“機能”が損なわれると、世論の表明は「デモ」という力業で行うしかない……それが現下の香港の実像である。
本書は発展著しい1980~90年代、中共深セン市委員会宣伝部に勤務し、中共プロパガンダの手法を知り尽くしている著者が、10年にも及ぶ取材・執筆を経て世に問うもの。香港は勿論、アジア諸国、アフリカ、中南米、オセアニア、ヨーロッパ、そして米国と世界を股にかける中共のプロパガンダの実態と歴史を徹底的に分析している、現在の世界情勢を理解するのに欠かせない一冊である。
主な内容
●中国共産党対外プロパガンダの70年にも及ぶ歩み●中共は対外プロパガンダを対象地の媒体やひとで展開する●なぜ世界中に中国語メディアが展開されているのか?●返還後香港メディアは中共の提灯持ちに成り下がった●中共の台湾メディアへの紅い浸透●中国の対外プロパガンダは失敗した●2018年、米国は中国のプロパガンダ阻止を開始した
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
97
中国大陸系の資本が入ったメディアを見るときは中国語・英語・日本語であろうと必ず自分で情報のウラを取らなければならないことが克明に書かれている。日本ではあまり人気のないトランプのおっちゃんだが、米中外交について言えば実は「当たり」の大統領だったのではないかと思うぐらい内容がすさまじい。おっちゃんのわがままが、洗練された中国のプロパガンダをぶち壊し回っているという印象を受けた。2020/06/30
GASHOW
5
日本人には信じられないことだが、大陸の国では嘘をつくことに罪悪感がまったくないという。武田教授の解説を何回も聞いたことがある。プロバガンダの目的にとって真実である必要はなく、嘘も繰り返しきかされると人は信じてしまう。中国だけでなく、欧米諸国もそうだ。国際間で嘘がないと信じているのは日本人くらいだそうだ。14億人をまとめあげる政府ではプロパガンダが必要で、国際問題でも軍事でも戦いなのだから、そこは賢くならないといけない。嘘やまやかしも見抜けていれば良いだけで、嘘をつかないと信じて騙される者に救済はない。2020/06/03
田山河雄
2
見慣れない語彙が出てくる。「大外宣」「統戦工作」「本土化戦略」等だ。プロパガンダ、世論コントロール、そしてどうも中共本土並みにする事らしい。その雨風の降り続いたのが米中国交回復の70年代からオバマ(民主党)時代。その後トランプの「ワシントンの沼をさらう」動きから、2018年パンダハガー派を一掃する公聴会(証言)が出て、現在の「対中政策の失敗を認める」方向へ。孔子学院疑念、スパイ疑惑や(語られていない香港国安法制定後の混乱など)現在の動きを彷彿させる。これは貴重な本ではなかろうか。2020/08/19
ぷるぷる
1
帝国主義を隠そうともしない国なわけで各国に親中メディアを作り上げて敵国を二分する世論を形成させるなんて戦略はさも有りなん。2009年から外宣活動が本格化したとあるがもっと昔からやってるような気がする。必然的に中国の近代史になってるのも興味深い。冷戦時代を少しでも知ってると共産主義は外部に対する宣伝行為に熱心なのは覚えているわけですがレーニンが既にプロパガンダの必要性を訴えていたというんだから虚言や洗脳なんて生まれつきなのですね。西側にいる左派系記者の存在があるので情報見る時は気をつけたいと思うくらい怖い。2020/07/18
Yuichi Saito
0
★★★2020/07/16
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