新潮文庫<br> 介護殺人―追いつめられた家族の告白―(新潮文庫)

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新潮文庫
介護殺人―追いつめられた家族の告白―(新潮文庫)

  • ISBN:9784101012919

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内容説明

全国の要介護認定者数656万人。「夫婦だから」「親子だから当然」と始めた家庭での介護が長期化し、困難を極め、やがて悲劇が起こる。――今、全国で続出する介護を苦にした殺人事件。なぜ最愛の母親を手にかけてしまったのか。家族の絆がなぜ悪夢に変わったのか、当事者の悲痛な叫びに耳を傾けた記者たちが目の当たりにしたのは、在宅介護の切なすぎる現実だった。慟哭と衝撃の最前線ドキュメント。(解説・重松清)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

74
国の無策を思う。経済的に老人ホームに入れない、仕事を辞めて介護にあたる家族をサポートする体制がまったく整っていない。その他もろもろ、怒りと悲しみを感じる。何が自立支援なのだろう。経済的に寄与しない層を切り捨てていくだけの政策ではないか。ここで怒っていても仕方ないのだが、やりきれなくて仕方ない。どの年齢の人でも、突然介護される側になる可能性があるという意識さえあれば、こんな政策は作れないと思うのだ。突然何かですってんてんにならないとは誰も言えないと思うのだ。施策側の想像力の欠如。2019/06/01

James Hayashi

38
過去8年で371件の介護殺人があったという。多くの被害者が認知症を患い、加害者である家族は不眠に悩まされ、介護疲れであった。行政も手を尽くしていたようだが、月10万円ほど掛かる施設に入所は年金生活者には厳しい。また施設も足りていない。介護保険とケアマネージャーもあったが、受け入れ施設が不充分。また障害児を持つ後期高齢者は昔堅気で行政支援(障害者総合支援法)を受けきっていない。先日読んだ「安楽死・尊厳死の現在」より痴呆症にも安楽死との考えもよぎったが、それはやはりラストリゾート。→2020/07/29

cao-rin

23
なかなか感想をアップできなかった…決して他人事ではない。愛していたはずの人を手にかける、そうなるまで追い込まれた加害者達のその後の人生を思うとかける言葉も見つからない。そして何よりやり切れない思いが残ったのは「ヤングケアラー」と呼ばれる人達。勿論「老老介護」も大変だが、若い世代の人達の将来を潰すような事がないようにして欲しい。介護全般について早急に国が取り組むべき。2019/06/27

アーモンド

22
真面目で一生懸命な人ほど、追いつめられる。男性の方が多いらしいが、自分で何とかしようと思う気持ちが強いのと、吐き出す場がないのが大きいのだろう。ただでさえ孤立しがちな家族介護。このコロナ渦の中では、更に厳しい状況になっているだろう事は容易に想像できる。明日は我が身。何とか手を差し伸べるシステム作りが急がれるが、現実は更に厳しくなりそうだ。2021/04/18

秋 眉雄

18
家族の絆(介護)がなぜ最悪の結果(殺人)を迎えてしまうのか。重松清さんによる解説の中での『では、「介護」と「殺人」は、なにによって繋がるのか。「愛」なのだ。』という一文がほぼ全てのことを言い表わしていると思いました。今後も増える一方なのは確実であり、他人事では全くない殺人の形式。2022/07/15

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