竹書房怪談文庫 令和怪談 ～澤村有希の怪奇ホリック

著者名：澤村有希【著】

竹書房（2019/10発売）

• ISBN：9784801920415

内容説明

娘が女児を埋めば、夫は死に、娘の母も死ぬ…
代々、母娘二人しか残らない呪われた家系の因縁とは?

体験者への詳細な聞き込みと現場取材をモットーとする澤村有希の実話怪談。
崖で見つけた縄文時代の鏃(やじり)。それを手にした途端、得体の知れぬ衝動が…「笑顔」、
鎌倉時代の作と伝わる家宝の茶碗。その不思議な力とは…「茶碗」、
家の納戸で発見された明治の西郷札。それを燃やした日から恐ろしき凶事が…「布札」、
婿取りで家系を繋いできた女系一族。娘が女児を産むと婿は死に、娘の母も死ぬ。母一人娘一人しか残らぬ呪われた血筋の因果とは…「未決」他、
古より令和まで、時代に深い爪痕を残してきた強烈な実話全19話!


著者について

7月2日生まれの蟹座。AB型。
本来は物書きではなかった……はずだが、「摩楼館シリーズ」がきっかけで何時しかそれが本業に。
別名で怪談以外の様々な文章を書いて糊口を凌ぐ日々である。
しかしその間も怪奇に魅せられた生活は続いており、別の文章仕事で訪れた各地の体験談を集める。
まさに〈怪奇中毒者〉。
令和の時代もそれは変わらず、今日もこの世の何処かで怪奇譚を追っている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[夢追人００９]

女流作家・澤村有希さんの実話怪談集です。読みながら一冊の本を仕上げるのは大変だし個性を打ち出すのもご苦労だなと思いましたね。こういう本ばかりを読んでいると怖さにもある程度慣れてきますし目新しい魅力を期待しますね。怖いかと言うとそれ程でもないですが、でもそれだけで評価するのもどうかとも思いますね。悪くはないのですが積極的に、いいなと思えるインパクトがあればなと思いますし本書の取材者が全て女性というのもややワンパターンに感じますので作風の幅を広げる意味で、もっといろんな事にチャレンジして頑張って欲しいですね。

2021/05/01

[HANA]

実話怪談集。江戸から令和に至るまで、時代ごとにまとめられた怪談が収録されている。ただ怪談自体は現代が舞台となっており、各話の根っこがその時代にあるという設定。この設定は非常に秀逸で、どれにも因果が絡んでいる為に最近の実話怪談とはまた違った趣を醸し出している。特に何かの因縁があるのだが、それが何かはっきりしない。という話はもやもやした嫌感が残り、実にいい感じ。「追放」とかその代表例で、当時何が起こったかわからないのともう一つの可能性で実に嫌な感じ。この題名はどうかと思ったが、今となってはベストだと思った。

2019/12/11

[らすかる]

19話からなる実話怪談集。ゾクっとする心霊系も、生きてる人間が怖い系もあり存分に楽しめました✨✨ 中でも自分の家系にまつわる話は興味深い！！逃れられない怖さがあります！！過去の因縁が現代まで続く不条理な恐怖。それほどまでの強い呪いを受けたのだろうか。それにしても、、、表紙が怖すぎるw ブックカバーはずせないw とったら目が合っちゃう！！ (||ﾟДﾟ)ﾋｨｨｨ!

2020/03/09

[Gemi]

恐怖を欲して借りてみたこちら。時代ごとのホラーな小話がたくさん詰まっている。長編の冒頭部を集めたような作品。何が言いたいのか？やっぱり物足りなさは残る。求めていたホラーは、まず日常に不気味さが垣間見えて、違和感から段々と正体不明の異常さに巻き込まれていき、ギャーッ！って感じで納得のエンディングが理想的。なのだが、この本は、著者が怖い話を他人から聞いたインタビュー形式で、ゾワっとしてヒュッと終わるの繰り返しだった。こういう作風なんだろうなと。長編のホラーを求めてる人には不向き。サクッと読みたい人向けでした。

2020/11/24

[あーびん]

江戸期以前～明治・大正、昭和～平成、令和と時代で区切りがあるものの、あとがきにもあるように遠い過去から今の時代へと連綿と受け継がれるものの話でもあった。また、その時代を象徴する事件を想起させるような怪談など。怪異もその時代に一部を表出させながら、絶えることなくずっと続いていくものなのか。家系の因縁話を読むとなおさらそう感じた。

2019/12/27