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内容説明
「恋っていうんですか? そういう境地」
経営難の小さな印刷会社を営む若き2代目社長カズシは、
工員のノボルが機械で指を切断して以来、数奇な運命に呑まれていく。
少年時代の封印された記憶がフラッシュバックするなか、
謎多き魔性の女・ミツコと出会い……。
様々な伏線がダイナミックに収斂していく松尾スズキのストーリーと、
繊細かつ妖艶な山本直樹の筆致が融合するコラボレーション。
傑作コミック、待望の新装・新編集版。
【目次】
#1 世界はひとつの舞台、人間は男も女もみな役者。
#2 どんなことでも来るなら来るがいい。どんなに荒れた嵐の日でも時は流れる。
#3 恋とは何?恋とは明日のものではない。今が楽しいのなら今笑えばいい。先のことなど知るものはない。
#4 君を夏の一日にたとえようか。君はさらに美しく、さらに穏やかだ。
#5 前兆など気にするものか。たった一羽の雀が落ちるのにも、神の特別な摂理がある。……覚悟がすべてなのだ。
#6 この世の営みの一切が、なんと浅ましく、忌まわしく、味気なく、無意味なものに思えることか!
#7 芝居はしまいまでやらせてくれ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アマニョッキ
34
表紙からまず惹かれますよね。この構図のエロさよ。山本直樹の完成されているけれど居心地の悪い画と、松尾スズキの心地のよい気持ち悪さ、どちらも大好物ですものこの融合はたまりません! 一度は頓挫した映像化、いつかぜひ実現させて欲しいです。2017/02/05
ぐうぐう
23
12年前に発表された、松尾スズキ原作、山本直樹作画の『破戒』新装版。元は映画のシナリオだったという松尾の原作は、ユリ・ゲラーという時代を巧みにフラッシュバックさせながら、現代の喧騒と希薄さ、あるいは眠れる熱情と狂気を炙り出す。映画化は実らなかったようだが、漫画としてこの物語は救われ、その作画を山本直樹が担当したことは、とても幸せなことだ。2016/12/16
4/123
14
再読。【私以外でこの本を読んだことのある人をまだ見たことがない】というカテゴリの一冊。それと同時に【人に勧めたいがドン引かれたりしないだろうか】カテゴリでもある一冊。どうです奥さんこの官能的な表紙、エロいでしょう。中はもっと凄いですよ、なんたって松尾スズキですからね。作画の山本直樹のあの卑猥な、いっそグロテスクぎりぎりのあの表情に何度か興奮すらする。2017/02/28
gongxia
6
表紙と帯のコメント?に惹れ、松尾スズキさんや!ってなった。 サブタイトルもいちいちかっこいいし、すぐ映画に出来そうなくらい構成も展開の速さ、テンポも登場人物も良い。 ミツコのぶっ飛んだ感じも、主人公がどんどんおかしくなってくのもハラハラする。2017/05/15
ムーミン2号
5
一応、読んだので登録。ワタシにはよー分からん世界だった。原作の松尾スズキがどういう方かよく知らないが、どうにもワタシにはついていけない。こういう作品を面白く読める方々がある意味うらやましい。こちらのアタマや感覚がコチコチなんだろうな、と思ってしまう。2018/07/28