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内容説明
いまどき「神かくしにあった」などという人は、まずいないでしょうが、迷子になったり、急にお母さんの姿を見失ったとき、心細さも手伝って、見なれた風景が、まるで見知らぬ世界のように思えたことはありませんか――いつものようで、いつもと違う……それが異界なのです。この物語は、雑木林のなかにドッジボールを探しに入った男の子「尚(なお)」が、かくれ山という異界によびこまれ、必死で出口を探すという冒険ストーリーです。かくれ山の猫屋敷には、尚と同じように異界によびこまれ、猫婦人に姿を猫にかえられた子どもたちがとらわれていました。猫屋敷から逃げ出した尚は、友だちになった野ネズミに、山姥なら出かたを知っていることを教えられます。知恵と勇気をふりしぼり、天狗の隠れ蓑をかりて山姥に方法を聞いた尚は、鬼の雷の剣をぬすんで……。「あっ!」と驚く結末の、勇気と友情の素晴しさを教えてくれる感動の一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
深青
16
尚が黒猫に誘われて迷いこんだ山は、色んな妖怪達が住んでいた。猫婦人に猫に変えられた子供たちを助けて、尚は無事に元の世界に戻れるのかというお話です。尚が最初は引っ込み思案というかうじうじしているのです。これで大丈夫だろうか?と思っていたら、色々冒険を重ねていくとちょっとずつ成長して、最後はずいぶんしっかりしたように思います。そういう成長を読むのも、児童書の楽しみです。2015/04/23
のこ
11
猫の声に呼ばれるように尚が入り込んだ深い山「かくれ山」。時間の流れから外れたその場所には黒髪の美しい女性と、8匹の猫が住む洋館があった。■この短さでこれだけの面白さはさすが。世間体を気にする今時の子・尚と、彼をうまいことけしかけるネズミの掛け合いが面白いです。■とき子との関係は、綾辻さんの『最後の記憶』を思い出して少しゾッとしました。■「自分に、どんなたくさんのことができるのか」「やってみなくちゃわからない」。その言葉に勇気をもらいました。子供から大人まで楽しめるファンタジーです。2014/02/07
花宴
6
「かくれ山」という異界に迷い込んだ少年の冒険ファンタジー。ラスボスにたどり着くまでに天狗、山姥、鬼など超えるべき難関が次々と現れて飽きさせない展開でした。主人公の尚少年は気が優しく人がよくて、彼のちょっとした気遣いがなんとも微笑ましかったです。2017/03/21
ワカメちゃん。
5
小学5年生、読書があまり好きではない息子が目をキラキラさせておもしろいから読んでみて!って言ってきた。なんとも珍しい。 最初はベタやなぁ、と思っていたものの、 やはり最後の猫屋敷に忍び込んでからはハラハラドキドキ!あー楽しかった! 本って、あーおもしろかった!って終われたら最高だよね。 あーおもしろかった!って思ってるのに、読書感想文を書け!なんて言われるから本嫌いになるんだわ(笑)2018/08/29
てふてふ
5
やっぱり富安さんの物語にハズレなし。自信なさそうにいやいや言いながら、でも勇気を振り絞って運命に立ち向かう姿は、嫌味なく応援できる。調子の良いネズミとの掛け合いも、リズムよくおもしろい。お母さんとの不思議な関係が余韻となって味わい深い終わり方。息子も興味深そうで、表紙を指さして「あか」「にゃ」とおしゃべり。ページもぺらぺらめくってた。2015/12/22