ハーパーBOOKS<br> われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか 進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略

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われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか 進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略

  • ISBN:9784596551481

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内容説明

炎上、フェイクニュース、格差社会…ヒトの残念な習性は太古から備わる生存戦略が理由だった!?

数百万年前から続く人類の「心の進化」をひもとき、現代人の幸せのヒントを提示する話題の書!

人類は、絶望に突き動かされ発展した。

われわれの進化した心理は、幸せとそれを追い求めることと密接に絡み合っている。つまり豊かな暮らしを送るということは主として、進化の命令にしたがうということなのだ。
――本文より

気鋭の心理学者が明かす人間の「進化と幸せ」の知られざる関係――

進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略
○ホモ・サピエンスの生き方に現代で一番近いのは、マフィアや麻薬カルテルである。

○心の機能が生まれてからほどなく、人類がはじめて嘘をついた日が訪れた。
○暴力レベルの高い文化では、礼儀正しさのレベルも高いことが多い。
○われわれが遠くの人より近しい人の成功を妬む理由とは?
○IQの高さは必ずしも仕事の成功につながらない。
○多く人が自分のルックスを「実際より20%増し」で考えている。
○自信過剰は対人関係に大きな利益をもたらす。
○情報収集が偏っていればいるほど、人は説得力を増す。
○偉大なイノベーションを起こす人ほど“非リア充”ある。
○ヒトは未来に目を向けて現在を無視する傾向がある。
○なぜわれわれは「いつも」幸せでないのか?
○高齢になってからの孤独は喫煙よりもはるかに危険である。
○「モノよりコト」が理にかなっている理由とは?
○過度の幸せは経済的な危機につながることがある。
○男子はなぜリスクを冒すのか?
○危険な男は女子にもてる?
○出会い系サイトで出会ったほうが離婚しない?

進化心理学とは、進化がどのように人間の遺伝子を作り上げ、それが我々の心をどう形作ってきたのかについての物語である。

◆目次より

はじめに
遠い祖先の考えや行動について知る方法/氏(ルビ:うじ)か育ちか?

[第1部 われわれはどのようにヒトになったのか]
第1章 エデンからの追放
ディクディク・ヒヒ戦略/ライオンに石を投げつける/集団行動の心理学/集団行動がもたらした認知革命/
わたしたちをヒトにした社会的跳躍(ルビ:ソーシャル・リープ)

第2章 出アフリカ
直立歩行/ホモ・エレクトスからホモ・サピエンスへ/
複雑な社会的関係のために必要な大きな脳/心の理論/教育と学習のための心の理論/
心の理論と社会的操作

第3章 作物、都市、王様――農業シフトがうながした心の進化
農民の心理/私有財産/私有財産と男女不平等/
政府だけでなく、階級、搾取、奴隷を生み出した農業/村から都市へ/インターネットによる回帰
第4章 性淘汰と社会的比較
性淘汰/セクシーであることの意味とは?/(社会の)相対性理論

[第2部 過去に隠された進化の手がかり]
第5章 ホモ・ソシアリス――社会的なヒト
社会的知性/自制心の進化/自制心を超えて――大きな脳の社会的利益/自信過剰の社会的利益/
自己欺瞞は自信過剰のためだけにあらず/自己欺瞞の効果

第6章 ホモ・イノバティオ――革新するヒト
社会革新(ルビ:ソーシャルイノベーション)とは何か?/社会革新仮説

第7章 ゾウとヒヒ――道徳的・非道徳的なリーダーシップの進化
ゾウとヒヒ/ゾウ型・ヒヒ型のリーダーシップ/事例研究――ハッザ族とヤノマミ族/
ヒヒ型リーダーの出現と不平等/小規模な社会から大規模な企業へ/
道徳的リーダーシップを生みだす方法

第8章 部族と試練――進化心理学と世界の平和
集団間ではなく集団内で協力するように進化したヒト/集団同士の関係をぶち壊す相対性/
自己欺瞞的な偽善者に進化した人間
[第3部 過去から未来への跳躍(ルビ:リープ)]
第9章 進化はなぜ人間に幸せをもたらしたのか
なぜ人間はいつも幸せではないのか?/幸せと健康

第10章 進化の命令のなかに幸せを見つける
幸せへの進化的ガイド/幸せと生き残り/協力と競争/幸せと学び/幸福、性格、成長/
現代世界の落とし穴/楽しい人生にたどり着くための「10の簡単なステップ」

おわりに

謝辞
原注・参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

lily

89
好かれて幸福になりたいんだよなぁ。人格のビッグファイブスコアが高い方がいいらしい。そしてイマに生きる。極めたいことは無理せずコツコツ継続して楽しめるヒントを探しながら。2021/04/08

サアベドラ

41
我々現生人類の思考や性格のクセは何に由来するのかを進化人類学の立場から解き明かし、その上でヒトが幸福に生きるために何が必要なのかを書いたポピュラー・サイエンス。著者はアメリカ人の心理学者。ざっくり言うと、ヒトがヒト的になった、すなわち一見奇妙に見える性格(邦題にあるような嘘つきや自信過剰やお人好しなど)や思考を持つに至ったのはサルからホモ・サピエンスへの進化の過程で起きた(とされる)様々な出来事の結果であり、幸福の追求も進化の第一目標である種の保存の副産物として捉えられるという。まあまあ楽しめた。2020/08/18

タナカ電子出版

40
面白い😆♥️かなりの分量と熱量が高い📖です☺️第一部どのようにヒトになった第ニ部進化の手がかり第三部跳躍/進化心理学の視点から私たちが選び歩んできた道のりが、私たちを嘘つきで自信過剰でお人好しにしています。①嘘をつく事や自身を強く見せる戦略によって余計な戦いを避ける✨よって嘘をつきます。騙します。そう進化しました。②自信過剰でいることで幸せを感じられます❇️よって池の中の蛙状態です。幸せです。そう進化しました。③お人好しです✨よって騙されます。勉強になります。そう進化しました。それが私たちなんです✴️2020/02/06

Yuma Usui

39
ヒトがサバンナから産まれ心を持つに至った経緯を解説している。次の箇所に進化の無情さを感じた。▼他者をより効果的に欺くために人は自分を欺く。▼人間の行動免疫システムは、そのような異質な習慣をたんに“ちがう”とみなすのではなく、同時に“まちがっている”とみなすように進化してきた。▼幸福とは、遺伝子に最大の利益を与える行動をとるよう、人間を動機づけするために進化が使うツールだ。▼若い男性たちはつねに、何百万年にもわたって続く進化圧が睾丸から沸き上がるのを感じており、その圧力が彼らを危険と競争へと駆り立てる。2020/12/14

よしたけ

35
人間の社会知性を掘り下げる進化心理学でまさに教養本。例えば…なぜ赤道に近づくと言語宗教が増える一方で自民族中心主義的に →熱帯地域は病原体密度が高く他者と安易な交流は危険/論理的規則でなく、違反者を見つける観点により同じ設問も容易に回答できる→他者と協力して生存してきたが故、生を脅かす集団規律違反者に敏感/なぜ幸せは長続きしない→ある程度の喜びは成功へ繋がる一方、過度の幸せで歩みが止めると将来的に破滅/なぜ技術革新者は一握り→人々は社会性が高い故技術的問題解決が必要になることは稀(人に頼んで解決する発想)2020/09/18

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