内容説明
北海道の北に広がるサハリン。かつて樺太と呼ばれ、約40万人の日本人が暮らしたこの地で、
終戦後も7日間にわたって戦闘が続き、住民を巻き込んだ悲惨な地上戦が行われていた――。
重い沈黙を破る貴重な証言、国内外の発掘資料を初公開。知られざる地上戦の実態に迫る一冊。
話題を呼んだNHKスペシャル番組、待望の書籍化。戦争の真実シリーズ第2弾の登場。
●目次
はじめに
序 章「樺太地上戦」とは何だったのか
第1章 8月15日 「なぜ戦争は終わらなかったのか」問い続ける元住民たち
第2章 8月16日 終戦後の「先制攻撃」
第3章 そして「戦闘命令」は下された
第4章 樺太で現実化した「本土決戦」という悪夢
第5章 少年はゲリラ戦に身を投じた
第6章 住民たちは地獄を見た……「死の逃避行」
第7章 停戦ならず。樺太最大の地上戦「真岡の悲劇」へ
第8章 8月20日 ソビエト軍の艦砲射撃が真岡を襲う
第9章 相次ぐ集団自決。「北のひめゆりの悲劇」
第10章 8月22日 「終戦」から1週間、ようやく戦いは終わった
第11章 帰れぬ遺骨
終章 樺太地上戦は何を残したか
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちえ
28
仕事で関わった方達の中に樺太から引き揚げてて来た人が何人もいた。子供時代の思い出を聞くこともあったが殆ど知らないと思い図書館から借りてきた。引き上げがあったことはもちろん分かっていたが、前書きで書いてあると同様、沖縄を「唯一の地上戦」と思っていた自分がいる。5000人とも6000人とも言われる人たちがたった7日間で犠牲になったこと、当時の軍部の考えが南も北も切り捨てるようなものだったこと。ソ連が北海道の北半分を領土にしようとしていたことなど本当に恐ろしい。戦争の意味を改めて教えられる。2024/11/09
ちさと
16
本書は国民義勇戦闘隊(15-60歳の男性及び17-40歳の女性に義勇兵役を課す)が唯一結成された、樺太での戦闘を取材した番組「NHKスペシャル 樺太地上戦」に、元住民の声や資料、写真を追加して書籍化したもの。8/15玉音放送翌日に発せられた札幌第5方面軍から樺太へ「樺太を死守せよ」の命令。住民はスコップや家庭用包丁を手に取って戦った。全ては国体護持のため、天皇のため。樺太で犠牲になった民間人の遺骨は未だに、一柱も日本に戻っていないそうです。2025/04/26
keint
11
NHKスペシャルの書籍化本。番組の方は未視聴であるが、文字でも樺太戦の証言が生々しく浮かび上がってきた。 遺骨回収運動をしていると紹介された全国樺太連盟は2021年に活動終了しており、現在の情勢からもロシアへの調査も難しくなるだろうと考えた。2022/03/21
まると
9
北千島の占守島は、米軍に備えて配置されていた戦車隊が終戦直後に侵攻してきたソ連軍と激戦を繰り広げたことで知られている。一方の南樺太は軍隊が手薄で、ほぼ民間人だけで約40万人が平和に暮らしていた。降伏後に侵攻してきて、逃げ惑う民間人の列に戦闘機から機銃掃射を浴びせたソ連軍もひどいが、民間人に鎌やスコップ、包丁を持たせて勝ち目のない戦いを強いた日本の軍部もまたひどい。軍隊が先に逃げ、何の情報も持たない民間人が取り残される構図は満州と同じだ。樺太で起きた悲劇は、沖縄や満州と同様、もっと多くの人に知られるべきだ。2019/11/30
ののまる
8
戦争が終わったはずなのに、樺太(サハリン)では札幌第5方面司令官から、樺太へは自衛のための戦闘命令が出されていたため、8月24日の武装解除まで7日間、民間人を巻き込んだ戦闘が行われていた。沖縄だけが本土決戦ではなく、“本土”であった樺太でも本土決戦があったこと、5000人とも6000人とも言われる被害があったことを私たちは忘れ去っている。2021/12/24
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